山田吉彦(やまだ・よしひこ)氏は、海洋政策・海洋安全保障を研究してきた研究者から国政へ転じ、2025年の参議院議員通常選挙で初当選した国民民主党の参議院議員です。
銀行員、日本船舶振興会、東海大学教授という経歴を持ち、政治家になってからも尖閣諸島、海上保安、シーレーン、海底ケーブル、レアアースなど「海」を軸にした政策を前面に出しています。2026年9月時点では、国民民主党の安全保障調査会長として外交・安全保障分野にも関わっています。
| 名前 | 山田吉彦(やまだ よしひこ) |
|---|---|
| 生年月日 | 1962年9月7日 |
| 年齢 | 64歳(2026年9月30日時点) |
| 出身地 | 千葉県千葉市 |
| 所属政党 | 国民民主党 |
| 議員種別 | 参議院議員 |
| 選挙区 | 比例代表(全国比例) |
| 当選回数 | 1回 |
| 初当選 | 2025年参議院議員通常選挙 |
| 党役職 | 安全保障調査会長、政務調査会副会長 |
| 主な国会所属 | 外交防衛委員会、国家基本政策委員会、沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会、憲法審査会 |
| 学歴 | 学習院大学経済学部卒業、大学院を経て博士(経済学) |
| 大学での活動 | 東海大学教授を歴任。2026年の東海大学告知では海洋学部客員教授 |
| 東京事務所 | 参議院議員会館1112号室 |
| 公式サイト | 山田ヨシヒコ公式サイト |
| 公式X | @yoshihiko_umi |
参議院の議員プロフィールでは2025年当選の比例代表議員として掲載され、2026年7月14日現在、外交防衛委員会などに所属しています。党の役員一覧では安全保障調査会長・政務調査会副会長となっています。参議院の議員情報、国民民主党の役員一覧で確認できます。
山田吉彦は国民民主党の参議院議員|2025年参院選で初当選
山田氏が国政選挙に初めて立候補したのは2025年の参議院議員通常選挙です。国民民主党公認で全国比例に出馬し、初当選しました。
| 投開票日 | 2025年7月20日 |
|---|---|
| 選挙 | 参議院比例代表 |
| 政党 | 国民民主党 |
| 山田氏の得票 | 74,512.676票 |
| 党内順位 | 7位 |
| 結果 | 初当選 |
国民民主党は比例代表で7議席を獲得し、山田氏は党候補者の個人名得票で7番目となりました。公表得票に小数があるのは、同姓・同名などによる按分票が含まれるためです。全国集計は選挙管理委員会公表の比例代表結果にも掲載されています。
研究者から政治家を目指した理由
政治の道を選んだ理由について、山田氏は研究者として政策提言を続けるだけでは制度を動かせない場面があったと説明しています。
「それが、私が政治を志した原点です。」
出典:山田ヨシヒコ公式サイト「なぜ政治の道に?」
選挙期間中も、研究者時代から続けてきた尖閣諸島周辺の調査と、政府による上陸調査の実施を政策として発信していました。
山田吉彦の学歴・経歴|佐倉高校から学習院大学、銀行、東海大学へ
山田氏は政治家になる前から選挙や政党活動を中心に歩んできた人物ではありません。金融、海事実務、国際的な人道支援、大学研究を経て国政へ入ったという経歴です。
| 時期 | 主な経歴 |
|---|---|
| 高校時代 | 千葉県立佐倉高校。陸上競技に取り組み、全国高校駅伝に千葉県代表として出場 |
| 1986年 | 学習院大学経済学部卒業 |
| 大学卒業後 | 東洋信託銀行で都市開発、債券トレーディングなどを担当 |
| 1991年~ | 日本船舶振興会で海洋問題・造船技術開発などを担当 |
| その後 | 社会人として大学院で研究を続け、博士(経済学)を取得 |
| 2009年 | 東海大学教授に就任 |
| 2019~2023年 | 東海大学学長補佐・静岡キャンパス長 |
| 2025年 | 国民民主党から参院選全国比例に出馬し初当選 |
| 2026年 | 東海大学の大学公式案内で海洋学部客員教授として紹介 |
佐倉高校では小出義雄監督の指導を受けた
本人公式プロフィールによると、中学生から陸上競技を始め、千葉県立佐倉高校では後に女子マラソン指導者として知られる小出義雄氏の指導を受けました。高校時代には全国高校駅伝に千葉県代表として出場しています。
銀行員から日本船舶振興会へ転職
学習院大学卒業後は東洋信託銀行に入り、不動産関連業務や債券トレーディングを経験しました。仕事を通じて日本船舶振興会と接点を持ったことが、その後の海洋分野への転機になったと本人は振り返っています。
「このままでは日本は海を守れない」
出典:山田ヨシヒコ公式サイト「銀行から海へ」
日本船舶振興会では海洋問題や造船技術開発のほか、チェルノブイリ原発事故、旧ユーゴスラビア、スリランカなどでの人道支援にも携わりました。その後、海洋政策や海上安全保障を研究テーマとして大学へ活動の軸を移しています。
東海大学教授から客員教授へ
東海大学では海洋政策、領土・領海、国境離島、海賊問題などを研究し、2019年から2023年まで学長補佐・静岡キャンパス長も務めました。
国民民主党の議員プロフィールには「東海大学海洋学部教授」という経歴が掲載されています。大学側の2026年1月の案内では、山田氏を「海洋学部客員教授」として紹介しています。現在の大学との関係については東海大学の公式案内が確認できます。
山田吉彦の政策|尖閣・海洋安全保障・レアアースが中心
山田氏の政策は海洋分野だけではありませんが、他の国会議員と比べても政策テーマの中心が明確です。公式サイトでは次の5本柱を掲げています。
- 海からはじめる:海上保安、防衛、漁業、造船、海底資源、海底ケーブルなど
- 手取りを増やす:消費税減税、再エネ賦課金廃止、地方インフラなど
- 人づくりこそ国づくり:技術教育、就職氷河期対策、奨学金制度など
- 自分の国は自分で守る:領土・領海・領空、サイバー安全保障、尖閣諸島など
- 国民に伝わる政治:憲法改正、外交、国際貢献など
詳細は本人公式サイトの政策ページに掲載されています。
尖閣諸島は「上陸調査」を掲げる
山田氏が特に長く扱ってきたのが尖閣諸島です。研究者時代から周辺海域の調査に参加しており、2025年の参院選では政府による尖閣諸島への上陸調査を主要政策の一つに掲げました。
2026年3月25日の参議院予算委員会では、中国海警局の船舶による尖閣周辺での活動を取り上げ、海上保安庁と自衛隊の対応体制について政府に質問しています。質疑内容は国民民主党の国会活動報告に掲載されています。
質疑後には、政府答弁の内容を本人のXでも紹介しました。
南鳥島のレアアースなど海洋資源開発を重視
山田氏は、南鳥島周辺のレアアース泥やメタンハイドレートなど、海底資源の研究・開発を経済安全保障政策の一部として位置付けています。
この分野では研究段階から実証段階へ進む動きもあります。JAMSTECは2026年、南鳥島周辺の日本のEEZで水深5,569メートルの海底からレアアース泥を連続揚泥し、約50トンを回収したと発表しました。2027年には本格的な採鉱試験、2028年3月までに経済性を含む総合評価を行う計画です。JAMSTECの2026年7月発表で試験結果が公表されています。
山田氏は資源開発を止めないための制度や体制整備について、Xでも継続的に発信しています。
採鉱・精錬コストについては、中国産より大幅に高くなるとの試算を前提に、それでも国内開発には価値があるという立場を示しています。
レアアース開発の採算性がすでに確定したわけではありません。JAMSTEC自身も2028年までの計画に「経済性評価」を含めています。山田氏の主張と、国の実証事業が今後確認する技術・経済面は分けて見る必要があります。
造船業や船員育成も海洋政策の一部
海底資源を掘るだけでなく、それを支える船舶や造船所、船員教育まで一体で整備するというのが山田氏の政策です。2026年7月の国民民主党の海洋政策懇談会では、造船業について次のように述べました。
「中小やベンチャーの造船所を支援をし、未来に向けた技術をつくっていくべきだ。」
出典:国民民主党「日本の海洋政策」に関する懇談会
シーレーンとホルムズ海峡の安全確保
海上交通路、いわゆるシーレーンの安全も継続して扱っています。2026年3月には国民民主党として、ペルシャ湾の日本関係船舶や船員、ホルムズ海峡の安全航行に関する提言を政府へ申し入れました。
「日本はイランとの窓口もあるので、中心となって交渉を進めるべき。」
出典:国民民主党・ホルムズ海峡に関する申し入れ
中東情勢を受け、船員の安全と船舶管理についても本人のXで発信しています。
初当選後に何をしている?国会・党での主な活動
政策として掲げている内容とは別に、当選後に国会・党で実際に行った主な活動を見ると、安全保障と海洋分野への比重が大きくなっています。
| 時期 | 主な活動 |
|---|---|
| 2025年10月 | 党安全保障調査会長として、インテリジェンスのあり方に関する第1次中間報告を発表 |
| 2025年11月 | 「インテリジェンス態勢整備推進法案」の提出に参加 |
| 2026年3月 | 同法案の再提出に参加 |
| 2026年3月 | 参院予算委員会で尖閣諸島周辺の警備・防衛体制を質問 |
| 2026年3月 | ホルムズ海峡の安全航行に関する政府申し入れに参加 |
| 2026年5月 | シンガポールを視察し、エネルギー調達やマラッカ・シンガポール海峡の航行安全を調査 |
| 2026年6月 | 参議院本会議で防衛省設置法等改正案について会派を代表して質問 |
インテリジェンス態勢整備推進法案は、外国勢力による不当な影響力への対応、情報機関・人材の体制整備、民主的統制などを盛り込んだ国民民主党提出の議員立法です。山田氏だけの単独法案ではなく、党所属議員と共同で提出されています。2026年の再提出時の党発表に法案の概要があります。
海上交通については、政府への申し入れだけでなく「航海の自由」を守る国際的な枠組みづくりについても発信しています。
海洋政策だけではない|外交・安全保障で示している立場
安全保障調査会長になってからは、尖閣や海上交通に限らず、北方領土、拉致問題、国際刑事裁判所、ウクライナ情勢などについても党声明や申し入れを出しています。
- 北朝鮮による拉致被害者の即時帰国を求める活動
- 北方領土をめぐるロシアの行動に対する党声明
- 国際刑事裁判所(ICC)と法の支配をめぐる声明
- ウクライナへの人道・復興支援と安全保障協力をめぐる提言
2026年9月21日には、国民民主党安全保障調査会長名で日・ウクライナ首脳会談の実現を求める声明を公表しました。
「平和的解決に向けた国際協力を強く働きかける」
出典:国民民主党「日・ウクライナ首脳会談の実現に向けて」
同声明では、人道・エネルギー・復興支援の継続に加え、ドローン技術をインフラ防護や被災状況の把握に活用することなども提起しています。
妻や子供など家族は公表している?趣味や人物像も紹介
山田氏の妻や子供について、本人公式プロフィールや参議院の公開プロフィールには具体的な記載がありません。公表されていない情報から結婚の有無や家族構成を推測することはできません。
- 釣りが好きで、釣った魚を料理して食べることも趣味
- 学生時代は月10冊以上読むほどの読書好き
- 好きな漫画として『ONE PIECE』を挙げている
- 高校時代は陸上競技に取り組み、全国高校駅伝へ出場
- 第3回海洋文学大賞で佳作入選
『ONE PIECE』については単に好きな漫画として挙げるだけでなく、海賊研究の知識を使って読み解いた『ONE PIECE勝利学』も出版しています。
なお、身長についても参議院・政党・本人の主要な公式プロフィールには記載されていません。
山田吉彦の本・著書|国境、海賊、海洋資源を長く扱ってきた
山田氏は国会議員になる以前から、海洋政策や国境問題を一般向けに解説する本を多数出版してきました。
| 主な著書 | テーマ |
|---|---|
| 『日本の国境』 | 日本の領土・EEZ・国境離島 |
| 『海賊の掟』 | 歴史上・現代の海賊 |
| 『海の政治経済学』 | 海洋をめぐる政治と経済 |
| 『日本は世界4位の海洋大国』 | 日本の海洋政策・海洋資源 |
| 『海洋資源大国 日本は「海」から再生できる』 | 海底資源と経済 |
| 『日本国境戦争』 | 領土・国境問題 |
| 『ONE PIECE勝利学』 | 漫画と海賊研究を組み合わせた考察 |
| 『ニッポンの国益を問う 海洋資源大国へ』 | 海洋資源と国家戦略。髙橋洋一氏、松原仁氏との共著 |
新潮社の著者ページには『日本の国境』『海賊の掟』などが掲載されており、2025年には『ニッポンの国益を問う 海洋資源大国へ』を共著で出版しました。詳しくは新潮社の著者プロフィールと本人公式サイトの書籍紹介で確認できます。
2026年現在も「海」と領土問題を軸に活動
2026年に入ってからも、国会質問だけでなく、港湾や国境離島の視察、海洋政策をテーマにした講演などを続けています。
9月26日には千葉市で「山田吉彦参議院議員に聞く 千葉の海の可能性」が開催され、水産資源、天然ガス、ヨウ素、防災などをテーマに講演しました。
また、本人事務所は「領土・主権展示館」の見学会を企画し、2026年10月4日と10月24日にも山田氏同行の見学・意見交換会を予定しています。日程は山田ヨシヒコ公式サイトで案内されています。

