2026年2月の衆議院選挙で11期目に入った棚橋泰文(たなはし・やすふみ)氏。旧通商産業省の官僚と弁護士を経て国政へ進み、科学技術政策担当大臣、国家公安委員会委員長、衆議院予算委員長などを務めてきた自民党の衆議院議員です。
妻や息子など家族については公表されていない情報も多く、派閥では麻生派「志公会」との関係、政治活動では行政改革や岐阜2区での地域政策が大きなテーマになっています。家族・学歴・経歴から政策、選挙結果、政治資金や予算委員長時代をめぐる論点まで、公開資料をもとに整理します。
| 名前 | 棚橋泰文(たなはし やすふみ) |
|---|---|
| 生年月日 | 1963年2月11日 |
| 年齢 | 63歳(2026年9月時点) |
| 出身地 | 岐阜県 |
| 所属政党 | 自由民主党 |
| 議員種別 | 衆議院議員 |
| 選挙区 | 岐阜県第2区 |
| 当選回数 | 11回 |
| 現在の党役職 | 自由民主党 行政改革推進本部長 |
| 初当選 | 1996年10月 |
| 前職 | 通商産業省職員、弁護士 |
| 主な役職歴 | 科学技術政策担当大臣、国家公安委員会委員長、防災担当大臣、衆議院予算委員長など |
| 公式サイト | 棚橋泰文オフィシャルサイト |
| 公式SNS | Facebook/LINE/Instagram |
棚橋泰文の家族|妻や息子は公表されている?
棚橋泰文氏の家族については、父や祖父など政治・行政に関わった親族の情報がある一方、妻や子供に関する詳しいプロフィールは公表されていません。
- 妻:本人公式サイト、衆議院、自民党の現行プロフィールに氏名・職業の掲載なし
- 息子:氏名、年齢、職業などの公表情報なし
- 娘:氏名、年齢、職業などの公表情報なし
- 家族:本人が家族と食事を囲む時間について語ったインタビューがある
2024年の衆院選を前にした岐阜新聞の取材では、仕事のペースを見直した時期に家族と温かい食事を囲む時間を持てたことを明かしています。
「こんな幸せがあったのかと気付いた」
出典:岐阜新聞「候補者の横顔」
家族がいること自体は本人の発言から分かりますが、妻や息子の氏名・勤務先などを裏付ける公式情報はありません。ネット上にある具体的な氏名や職業を、確認された事実として扱うことは避ける必要があります。
父は元通産事務次官の棚橋祐治
父は元通商産業事務次官の棚橋祐治氏です。BSテレ東の過去の人物紹介では、祐治氏が通産省事務次官を経て石油資源開発社長を務め、「子息は棚橋泰文衆院議員」と紹介されています。
棚橋氏自身も、衆議院在職25年の際の挨拶で、幼少期には父が通産省職員、祖父が衆議院議員だったと振り返りました。
「その背中を見て育ちました。」
出典:衆議院・第205回国会本会議会議録
祖父にあたる政治家として知られるのが、元岐阜県知事・衆議院議員・国土庁長官の松野幸泰氏です。政治家人名事典では、松野幸泰氏の妻で43年以上にわたって旧穂積村・町長を務めた松野友氏についても、棚橋泰文氏を「孫」と記載しています。
父は中央省庁の官僚、祖父は国政と県政に携わった政治家という環境で育ったことになりますが、棚橋氏が政治を志した理由については、家系だけでなく、本人が後に語った官僚時代の問題意識も大きく関わっています。
プロレスラーの棚橋弘至とは親戚?
同じ岐阜県大垣市にゆかりを持つプロレスラーの棚橋弘至氏について、一部の人物データベースでは棚橋泰文氏の「親戚」と紹介されています。
ただし、両氏の公式プロフィールから具体的な続柄までは分かりません。棚橋弘至氏は週刊文春の家族インタビューで、父母や祖父母、弟、妹について詳しく語っていますが、そこで棚橋泰文氏との続柄には触れていません。「いとこ」「おじ・おい」などと具体的な関係を断定できる公表資料はないため、親族関係の詳細は不明です。
棚橋泰文の現在|岐阜2区で11期目、行政改革推進本部長
2026年9月時点の棚橋泰文氏は、岐阜2区選出の自民党衆議院議員で当選11回。党では行政改革推進本部長を務めています。本人の公式プロフィールでは、2022年9月から同本部長を「現在も継続中」としています。
- 自由民主党行政改革推進本部長
- ドローン・自動運転・AIなどの社会実装に関する規制改革
- 自治体の行政事務、公務員制度の改革
- 岐阜・西濃地域の道路、治水、導水路などの要望活動
2026年6月には、棚橋氏を本部長とする自民党行政改革推進本部が木原稔官房長官に提言を申し入れました。自民党の公表資料によると、デジタル、制度点検、地方自治体、公務員制度の4分野で提言をまとめています。
- デジタル:ドローン、自動運転、AIなどの社会実装を妨げる規制の見直し
- 制度点検:特区制度、産業用地、保育分野の事務負担などを検討
- 地方自治体:自治体間・官民連携やインフラを横断管理する「群マネ」の活用
- 公務員制度:アルムナイ採用、人材処遇、生成AI時代の公務再設計
地元では、2026年9月18日に大野神戸IC周辺の洪水・内水対策について国土交通省へ要望したほか、大野町側と東海環状自動車道や木曽川水系連絡導水路について国土交通省・財務省へ赴いたことを活動報告で伝えています。
現在の活動は、党内では行政改革、地元では道路・治水を含む西濃地域の基盤整備が大きな柱になっています。
棚橋泰文の派閥は麻生派?志公会との関係と総裁選
棚橋泰文氏の派閥歴で大きな存在が、麻生太郎氏が率いてきた志公会、いわゆる麻生派です。
2017年に麻生派などが合流して志公会が発足した際、棚橋氏は事務総長を務めました。2018年、2019年、2020年の志公会の記録にも事務総長として名前があり、2023年の「志公会と語る夕べ」でもメンバーとして紹介されています。
- 2017年:新たな志公会の発足時に事務総長
- 2018~2020年:志公会の記録で事務総長として掲載
- 2023年:志公会のメンバー紹介に棚橋氏の名前あり
- 2026年の本人・自民党現行プロフィール:派閥名の記載なし
そのため、派閥歴としては麻生派との関係が明確ですが、2026年の公式プロフィールには「麻生派所属」といった現在の派閥表記はありません。
2008年の自民党総裁選では出馬を目指した
棚橋氏は2008年、自民党総裁選への立候補を目指したことがあります。当時45歳で、若手・中堅世代から出馬を模索しました。
当時棚橋氏の擁立に動いた木原稔氏の公式サイトには、棚橋氏が「世代交代」を訴えて立候補を決意したものの、必要な推薦人を確保できず、正式な立候補前に断念したことが記されています。実際の総裁選の候補者は麻生太郎氏、与謝野馨氏、小池百合子氏、石原伸晃氏、石破茂氏の5人でした。
石破政権下の2025年には総裁選前倒し論へ発言
2025年に自民党内で石破茂総裁の任期途中で総裁選を行う「前倒し」をめぐる議論が起きた際には、棚橋氏も自身の考えを表明しました。
「すべての有権者が参加できる解散総選挙を総理はなさるべきだ」
出典:テレビ朝日「グッド!モーニング」
これは総裁選前倒しを求める動きに対して、党員による総裁選だけでなく国政選挙で有権者の判断を仰ぐべきだという趣旨の発言でした。棚橋氏と石破氏との個人的な関係を示すものではなく、当時の党内手続きをめぐる発言として位置づけられます。
棚橋泰文の学歴・経歴|通産官僚から弁護士、29歳で政界へ
棚橋氏は岐阜県生まれ。小学校5年生から中学校2年生まで、父親の仕事の関係で当時の西ドイツ・デュッセルドルフで生活しました。本人は衆議院での在職25年の挨拶で、多様な価値観や文化に触れた経験から、日本の豊かさ、自由、平和に貢献したいという思いを持つようになったと振り返っています。
高校については、複数の学校・人物データベースで東京学芸大学附属高等学校の出身者として掲載されています。ただし、本人公式サイト、衆議院、首相官邸の現行プロフィールは高校名を記載していません。大学は公式資料でも確認できる東京大学法学部です。
| 時期 | 経歴 |
|---|---|
| 少年期 | 小5~中2を西ドイツ・デュッセルドルフで過ごす |
| 1987年3月 | 東京大学法学部卒業 |
| 1987年4月 | 通商産業省に入省 |
| 1992年ごろ | 機械情報産業局電子政策課課長補佐 |
| 1993年 | 通産省を退職、弁護士登録。大垣市内で活動 |
| 1993年 | 衆院選に初挑戦するも落選 |
| 1996年10月 | 岐阜2区で初当選 |
官僚としては電子政策分野に携わりましたが、社会の価値観が多様化する中、行政組織の中だけでは実現しにくい課題があると考え、29歳で通産省を退職しています。
「役所の枠組みではなく政治の道でしか実現できないものがある」
出典:衆議院・第205回国会本会議会議録
1993年の最初の衆院選では当選に届きませんでした。その後、大垣市を拠点に弁護士として活動し、1996年に導入された小選挙区制で岐阜2区から初当選。以降、2026年まで11回連続で議席を得ています。
国家公安委員長・予算委員長など主な役職と政治家としてやったこと
棚橋氏は国務大臣、国会の委員長、自民党役員のそれぞれを経験しています。単なる役職歴だけでなく、担当時期にどのような政策課題に関わったのかを見ると活動の範囲が分かります。
| 時期 | 主な役職 |
|---|---|
| 2002~2003年 | 自民党青年局長 |
| 2004~2005年 | 科学技術政策・食品安全・IT担当大臣、食育担当 |
| 2007~2008年 | 衆議院政治倫理・公選法特別委員長 |
| 2012年~ | 自民党政調会長代理 |
| 2014年~ | 自民党幹事長代理 |
| 2016年~ | 衆議院国家基本政策委員長 |
| 2019~2020年 | 衆議院予算委員長 |
| 2021年 | 国家公安委員会委員長、防災・海洋政策担当大臣、国土強靱化・領土問題担当大臣 |
| 2022年9月~ | 自民党行政改革推進本部長 |
デジタル庁設置前の行政改革・デジタル政策
2020年には、自民党行政改革推進本部長として、当時検討されていたデジタル庁とデジタル社会のあり方について党内の提言取りまとめに関わりました。自民党が公表した中間提言では、デジタル庁の機能や行政手続きのデジタル化などが論点になっています。
デジタル庁の創設を棚橋氏一人の成果とするのではなく、党の行政改革推進本部長として政府への提言づくりに関与したというのが具体的な位置づけです。
国家公安委員長として東京五輪の警備や飲酒運転対策に対応
2021年6月には菅内閣で国家公安委員会委員長に就任。防災、海洋政策、国土強靱化、領土問題も担当しました。
国家公安委員長としては東京オリンピック・パラリンピックの警備に当たり、全国警察から約5万9,900人の体制で大会警備などの諸対策を実施したと離任時の会見で説明しています。
「開催国としての治安責任を全うすることができた」
出典:内閣府・棚橋内閣府特命担当大臣記者会見
同じ在任期間には千葉県八街市で児童5人が死傷する交通事故が発生。棚橋氏は、飲酒運転対策として白ナンバー事業者の安全運転管理者によるアルコール確認・記録を強化する制度改正の手続きを進めたことも離任会見で挙げています。
棚橋泰文の政策・公約|経済、防災、社会保障、外交、食料
2026年時点の本人公式サイトの政策ページでは、「西濃」「くらし」「災害」「社会保障」「平和」「伝統」「食」の7分野を掲げています。
| 分野 | 本人が掲げる主な内容 |
|---|---|
| 西濃地域 | 東海環状自動車道などの道路整備、治水対策、学校等公共施設の改善、農業の持続的発展 |
| 経済・暮らし | 「責任ある積極財政」、物価上昇を上回る賃上げ、中小企業支援、成長分野への投資、雇用安定 |
| 防災 | 防災体制の強化、国土強靱化、防災庁設置の推進 |
| 社会保障 | 持続可能な全世代型社会保障、税と社会保障の一体改革、医療・介護・福祉人材の処遇改善 |
| 外交・安全保障 | 防衛力強化、「自由で開かれたインド太平洋」を柱とした各国との連携 |
| 外国人・土地政策 | 外国人との共生を重視しつつ、違法行為やルール逸脱への対応、土地取得のあり方を検討 |
| 食料・農業 | 食料安全保障と農業の生産基盤強化 |
経済政策では「物価上昇を上回る賃上げ」、つまり実質賃金の上昇を掲げ、賃上げを行う企業への支援や中小企業・小規模事業者への支援を組み合わせる考えです。
外交・安全保障では防衛力の強化を明記しています。2024年衆院選時の日本テレビ・JX通信社の候補者アンケートでも、防衛力のさらなる強化と、自衛隊の存在を憲法に明記することに「賛成」と回答しました。
選択的夫婦別姓など個別争点への回答
政策ページだけでは分からない個別争点については、2024年衆院選時の日本テレビ・JX通信社候補者アンケートで次の回答をしています。回答は2024年時点のものです。
- 選択的夫婦別姓:「やや賛成」
- 同性婚の法制化:「やや反対」
- 外国人労働者の受け入れ:今より積極的な受け入れに「近い」
- 原子力発電:新設・建て替えを含め活用する考えに「近い」
- 防衛力のさらなる強化:「賛成」
棚橋泰文の選挙区は岐阜2区|2026年は87,826票で11回目の当選
棚橋氏の選挙区は岐阜県第2区です。本人公式プロフィールでは、大垣市、海津市と、西濃地域の養老郡・不破郡・安八郡・揖斐郡を選挙区として案内しています。
大垣市、海津市、養老町、関ケ原町、垂井町、安八町、神戸町、輪之内町、池田町、揖斐川町、大野町
1996年の初当選以降、2026年まで連続当選を続けています。直近3回の衆院選結果は次の通りです。
| 選挙 | 得票数 | 得票率 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2021年・第49回 | 108,755票 | 65.8% | 当選・9期目 |
| 2024年・第50回 | 91,183票 | 61.9% | 当選・10期目 |
| 2026年・第51回 | 87,826票 | 約54.6% | 当選・11期目 |
2026年2月8日の第51回衆院選では5人が立候補し、棚橋氏が87,826票で小選挙区当選。2位は国民民主党の野村美穂氏で44,679票でした。大垣市が公表している選挙記録でも、棚橋氏の当選回数は11回と記載されています。
2021年の結果は大垣市の選挙結果、2026年を含む歴代記録は大垣市の「選挙のあゆみ」で確認できます。
棚橋泰文の評判・批判で論点になったこと
棚橋氏をめぐっては、長い国会議員歴や閣僚・党役員歴とは別に、予算委員長時代の国会運営と政治資金の透明性が具体的な批判・議論の対象になったことがあります。
2020年に予算委員長の解任決議案が提出された
棚橋氏が衆議院予算委員長だった2020年2月、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムと日本共産党が共同で予算委員長解任決議案を提出しました。
衆議院に掲載された決議案で、提出した野党側は棚橋氏の委員会運営を「強引かつ不公正」などと批判し、参考人招致や採決をめぐる運営を問題視しました。
これに対し、解任に反対する側は、野党の質疑時間への配慮、集中審議や公聴会を実施してきたことなどを挙げて委員会運営を擁護しました。最終的に本会議で記名投票が行われ、賛成133、反対319で解任決議案は否決されています。
2024年に後援会の政治資金の公開範囲が報道された
2024年2月には共同通信が、棚橋氏側の「棚橋泰文後援会連合会」と茂木敏充氏側の後援会について政治資金の流れを報じました。
共同通信配信の記事によると、2020~2022年に両氏側の2団体で、使途の詳細が分からない支出がそれぞれ支出全体の97%超となり、2団体合計で1億3,500万円以上に上ったとされています。
記事が焦点を当てたのは、国会議員関係政治団体から、公開基準が異なる「その他の政治団体」へ資金が移ることで、最終的な支出の詳細が収支報告書から分かりにくくなる制度上の問題でした。この報道は、棚橋氏について刑事処分や違法認定があったと伝えたものではありません。
同じ2024年の衆院選取材では、自民党派閥の政治資金問題全体について棚橋氏自身も次のように述べています。
「うみをきっちり出して、けじめを付けるべき」
出典:岐阜新聞「候補者の横顔」
この発言は自民党全体で問題になった政治資金問題への見解であり、棚橋氏側の後援会をめぐる共同通信報道への説明として発せられたものではありません。
棚橋泰文の事務所・秘書・公式SNS
棚橋氏は大垣市の地元事務所と、衆議院第二議員会館の国会事務所を公表しています。個人の自宅ではなく、政治活動上の公式な連絡先です。
| 大垣事務所 | 〒503-0904 岐阜県大垣市桐ヶ崎町93 旭ビル6-2F TEL:0584-73-3000 |
|---|---|
| 国会事務所 | 〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院第二議員会館713号室 TEL:03-3508-7429 |
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秘書については、2026年9月時点の本人公式サイトや自民党の現行議員ページに秘書の氏名一覧は掲載されていません。
2026年9月時点の自民党公式の棚橋泰文議員ページで、本人のSNSとして個別リンクが掲載されているのはFacebook、LINE、Instagramです。Xは本人用SNS欄に掲載されていないため、公式性を確認できない個別投稿URLを推測して本記事へ埋め込むことはしていません。
棚橋泰文の人物像|読書と朝のウォーキング
政治経歴とは離れた人物像について、2024年の岐阜新聞の取材では読書と朝のウォーキングについて語っています。
読書は歴史書だけに限らず「ライトノベルまで」と幅広く、当時は垣根涼介氏の直木賞受賞作『極楽征夷大将軍』を挙げていました。毎朝のウォーキングについては、頭を切り替える時間になっていると説明しています。
「いい意味で頭の中が真っ白になる」
出典:岐阜新聞「候補者の横顔」
健康に関して公表された情報では、同じ2024年の取材で、その年に新型コロナウイルスに感染したことを本人が明かしています。病床で半生を振り返ったことも選挙演説で語りました。これは2024年当時の感染についての本人発言であり、現在の健康状態を示す情報ではありません。
本人公式サイトの最新活動では、2026年9月にも西濃地域の要望活動や地域行事への参加を継続しています。国政では行政改革推進本部長として制度・デジタル・自治体・公務員改革を扱い、地元では東海環状自動車道や治水などを政策課題として活動しています。

