江藤拓(えとう・たく)氏は、宮崎県を政治基盤とする自民党の衆議院議員です。農林水産分野での経歴が長く、農林水産大臣を2度経験しました。
2025年にはコメ価格が高騰する中で農水相を務めましたが、「コメは買ったことがない」などの発言をめぐって批判を受け、同年5月に辞任。その後も農政に関する党内役職を担い、2026年の衆院選では宮崎2区で敗れたものの九州比例ブロックで復活当選し、9期目に入りました。
ここでは2026年10月1日時点の情報を基準に、江藤氏の現在の立場、選挙結果、農水相時代に何をしたのか、政策、経歴、評判をめぐる論点、妻・息子・父親までまとめます。
- 自民党の衆議院議員・当選9回
- 政治基盤は宮崎2区、現在の衆院での選出は比例代表・九州ブロック
- 農林水産大臣を2019年と2024~2025年に経験
- 2025年5月、コメをめぐる発言の責任を取り農水相を辞任
- 2026年は自民党の農業構造転換推進委員長などとして農政に関与
- 父は元総務庁長官の江藤隆美氏
江藤拓のプロフィール|現在は比例九州選出の衆議院議員
| 名前 | 江藤 拓(えとう たく) |
|---|---|
| 生年月日 | 1960年7月1日 |
| 年齢 | 66歳(2026年10月1日時点) |
| 出身地 | 宮崎県東臼杵郡門川町 |
| 所属政党 | 自由民主党 |
| 議員 | 衆議院議員 |
| 現在の選出 | 比例代表・九州ブロック |
| 政治基盤・小選挙区 | 宮崎県第2区 |
| 当選回数 | 9回 |
| 初当選 | 2003年 |
| 学歴 | 宮崎県立宮崎西高校、成城大学経済学部経済学科 |
| 前職 | 衆議院議員・江藤隆美氏の秘書など |
| 主な役職歴 | 農林水産大臣、農林水産副大臣、農林水産大臣政務官、内閣総理大臣補佐官、衆議院農林水産委員長など |
| 現在の主な活動 | 衆議院農林水産委員、自民党農業構造転換推進委員長など |
| 公式サイト | 江藤拓公式サイト |
| 公式X | @etoh_taku |
| 公式ブログ | 江藤拓オフィシャルブログ |
衆議院の議員プロフィールでは、江藤氏は「比例代表(九州)選出」、当選9回と記載されています。自民党公式プロフィールでも選出エリアは九州ブロックです。
江藤拓は現在何をしている?農水相辞任後も農政を担当
江藤氏は2025年5月に農林水産大臣を辞任しましたが、国会議員を辞めたわけではありません。2026年10月現在も自民党所属の衆議院議員として活動しています。
現在の大きな軸は、引き続き農業・食料政策です。
- 衆議院議員(比例九州・9期)
- 衆議院農林水産委員会の委員
- 自民党 農業構造転換推進委員会 委員長
- 自民党 TPP・日EU・日米TAG等経済協定対策 本部長
- 日本家畜商協会 会長
- 馬事畜産会館 会長
特に農業構造転換推進委員長として、2027年度から予定される新たな水田政策の制度設計に関わっています。農水相時代とは立場が異なり、現在は国会議員・自民党の政策責任者側から農政に関与している形です。
本人のXでも、家畜市場など農業現場を訪ねる活動を発信しています。
2026年衆院選は宮崎2区で敗北、比例復活で9期目へ
江藤氏の現在を理解するうえで重要なのが、2026年2月8日に投開票された第51回衆議院議員総選挙です。
江藤氏は従来通り宮崎2区から自民党公認で立候補しましたが、国民民主党の長友慎治氏が73,994票を獲得。江藤氏は65,630票で、小選挙区では敗れました。
| 候補者 | 政党 | 得票数 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 長友慎治 | 国民民主党 | 73,994票 | 小選挙区当選 |
| 江藤拓 | 自由民主党 | 65,630票 | 比例当選 |
| 白江好友 | 日本共産党 | 6,325票 | 落選 |
ただし、自民党の比例九州ブロックで復活当選したため、議席は維持しました。これにより通算9回目の当選です。
「宮崎2区を地盤としていること」と「現在の衆院での選出が比例九州であること」は別です。本人の公式サイトでは現在も宮崎2区を活動基盤として掲げていますが、衆議院の公式名簿上は「比例代表(九州)選出」となっています。
選挙期間中には本人のXでも街頭活動や期日前投票について発信していました。
投票日前には、過去の自身の発言について選挙期間中も厳しい意見を受けていることに触れた投稿もしています。
農水相として何をした?備蓄米放出から辞任まで
江藤氏は農林水産大臣を2度務めています。1回目は2019年9月に発足した第4次安倍第2次改造内閣です。首相官邸の当時のプロフィールにも農林水産大臣として掲載されています。
2回目は2024年11月に発足した第2次石破内閣。コメ価格の高騰が大きな社会問題になる中で農水行政を担当し、政府備蓄米の放出を進めました。
2025年2月、政府備蓄米21万トンの放出方針
2025年2月14日の記者会見で、江藤氏は政府備蓄米について21万トンを用意し、第1回は15万トンを売り渡す方針を発表しました。
「販売数量は21万トンとします。」
出典:農林水産省・江藤農林水産大臣記者会見(2025年2月14日)
この時点で江藤氏は、コメそのものが国内に不足しているというより、流通が滞っているとの認識を示し、備蓄米の投入で流通を正常化することを狙っていました。必要であれば追加放出する考えも示しています。
「コメは買ったことがない」発言は何だったのか
大きな問題になったのは2025年5月18日、佐賀市で行われた講演での発言でした。
江藤氏は「コメは買ったことがない」という趣旨を語り、支援者からコメをもらうため自宅には「売るほどある」と発言しました。コメ価格の高騰対策を担当する農水相自身の言葉だったことから、野党だけでなく消費者などからも批判が広がりました。発言内容はTBSの当時の報道でも確認できます。
当初は「売るほどある」とした部分について修正する説明をしていましたが、その後、発言そのものを撤回。5月20日の農水省会見では次のように語りました。
「あれはやはり適切ではなかった」
出典:農林水産省・江藤農林水産大臣記者会見(2025年5月20日)
2025年5月21日に農水相を辞任、後任は小泉進次郎氏
翌21日、江藤氏は石破茂首相に辞表を提出しました。
「所管の大臣として、極めて不適切な発言をしてしまった」
出典:TBS CROSS DIG・江藤農水相辞任報道
首相官邸の閣僚人事では、2025年5月21日付で江藤氏を本人の願いにより免じ、小泉進次郎氏を農林水産大臣に任命したことが記録されています。
- 2025年2月:備蓄米21万トンの売り渡し方針を発表
- 2025年春:コメ価格の高止まりが続き、追加対策を進める
- 5月18日:「コメは買ったことがない」などと発言
- 5月19~20日:説明・撤回・謝罪
- 5月21日:農林水産大臣を辞任
- 同日:小泉進次郎氏が後任の農水相に就任
江藤拓の経歴|父の秘書から農水相へ
江藤氏の政治経歴には、農林水産関係の役職が数多く並びます。国政入りする前には父・江藤隆美氏の秘書を長く務めており、国会議員になる以前から政界で実務経験を積んでいました。
| 年 | 主な経歴 |
|---|---|
| 1960年 | 宮崎県門川町に生まれる |
| 1979年 | 宮崎県立宮崎西高校卒業 |
| 1985年 | 成城大学経済学部経済学科卒業 |
| 1987年 | 衆議院議員・江藤隆美氏の秘書 |
| 1989年 | 運輸大臣政務担当秘書官 |
| 1995年 | 総務庁長官政務担当秘書官 |
| 2003年 | 第43回衆院選で初当選 |
| 2008年 | 農林水産大臣政務官 |
| 2012年 | 農林水産副大臣 |
| 2014年 | 衆議院農林水産委員長 |
| 2018年 | 内閣総理大臣補佐官 |
| 2019年 | 第4次安倍第2次改造内閣で農林水産大臣 |
| 2024年 | 第2次石破内閣で再び農林水産大臣 |
| 2025年 | 農水相辞任、自民党農業構造転換推進委員長 |
| 2026年 | 衆院選で比例復活し9期目。自民党TPP・日EU・日米TAG等経済協定対策本部長 |
2005年の郵政民営化関連法案では反対に回り、自民党の公認を得られないまま無所属で衆院選に立候補して当選した経歴もあります。その後、自民党へ復党しました。
派閥はどこ?近年は無派閥として扱われてきた
父・江藤隆美氏がかつて「江藤・亀井派」を率いていたため混同されることがありますが、江藤拓氏本人は近年、無派閥として扱われてきました。2021年の自民党総裁選でも、候補者推薦人の資料で無派閥と分類されています。
父親が率いた派閥の経歴と、江藤拓氏自身の近年の派閥所属は分けて見る必要があります。
現在の政策は?水田政策・食料安全保障・中山間地域が中心
農水相辞任後の江藤氏が力を入れているテーマの一つが、2027年度からの水田政策の見直しです。
2026年6月、自民党の食料安全保障強化本部、総合農林政策調査会、江藤氏が委員長を務める農業構造転換推進委員会、農林部会は共同で新たな政策提言をまとめました。
- 水田・畑を分けず、生産性を高める「田畑フル活用」
- 水田活用の直接支払交付金の抜本的な見直し
- 加工用米・麦・大豆などで、生産性向上を要件とした支援方式への転換
- コメの輸出拡大
- 米粉の需要創出
- 中山間地域など条件不利地域への支援拡大
- 環境負荷を抑える農業への新たな直接支払い
これは江藤氏個人だけの政策ではなく、自民党内の複数組織が共同でまとめた提言です。江藤氏はそのうち農業構造転換推進委員会の委員長として制度づくりに参加しています。詳細は自民党「田畑フル活用」で食料安保強化をで公表されています。
同年6月には全国8カ所で農業関係者の意見を聞く「全国キャラバン」も行われ、資材価格の上昇、農業用水路などの老朽化、備蓄米、政策予算といった現場の課題を聞き取っています。
中山間地域の農業についても、本人のXで現地調査の様子を発信しています。
妻や息子は?江藤拓の家族と父・江藤隆美
妻は順子さん
江藤拓氏の妻は順子さんです。
2021年の衆院選後、地元紙の宮崎日日新聞は、当選した江藤氏が選挙事務所で妻の順子さんと支持者に頭を下げた様子を報じています。2026年9月の本人公式ブログでも、江藤氏が別の予定に出席した際、妻が代わって地元の神社行事に出席したことを書いています。
妻について公的に確認できる情報は多くありません。家族が一般人であることもあり、ネット上で流通している細かな経歴や私生活については、本人や信頼できる媒体で裏付けられない内容まで事実として扱うのは避けた方がよいでしょう。
子供は息子が3人
子供については、首相官邸が2018年に掲載した江藤氏の首相補佐官プロフィールに、「息子3人」と明記されています。
3人の息子の現在の職業などについては、衆議院や本人の現行公式プロフィールでは公表されていません。
父は元総務庁長官の江藤隆美氏
父の江藤隆美氏も国会議員で、総務庁長官などを務めました。
江藤拓氏は大学卒業後、隆美氏の秘書となり、運輸大臣秘書官や総務庁長官秘書官、政策担当秘書などを経験。父が国政を退いた後の2003年に宮崎2区から初当選しました。父の政治基盤を引き継ぐ形で国政入りした経歴です。
- 妻:順子さん
- 子供:息子3人
- 父:元総務庁長官・衆議院議員の江藤隆美氏
高校・大学は?若い頃は父の秘書として政治の現場へ
江藤氏は宮崎県で育ち、宮崎県立宮崎西高校を1979年に卒業。その後、成城大学経済学部経済学科へ進み、1985年に卒業しました。
政治家になる前のキャリアで中心となったのは、父・江藤隆美氏の秘書です。1987年に秘書となった後、父が運輸大臣や総務庁長官を務めた時期には大臣秘書官を担当しました。
1997年には国会議員政策担当秘書の資格を取得。2003年の初当選まで、国会議員秘書として長期間、政治実務に携わっています。
趣味は釣り・サーフィン・バイク
首相官邸の首相補佐官時代のプロフィールでは、趣味として「釣り、サーフィン、バイク」を挙げています。座右の銘は「愛郷無限」です。
地元での催しへの参加も現在の活動の一部で、2026年には延岡市の「延岡花物語」を訪れた様子をXで紹介しています。
江藤拓の評判・評価をめぐる主な論点
江藤氏に対する評価を一つに決めることはできませんが、これまでの報道や役職を見ると、大きく分けて農政での長い経験と発言をめぐる批判の両方が論点になっています。
農政経験の長さから「農政通」と報じられてきた
江藤氏は農林水産大臣政務官、農林水産副大臣、衆議院農林水産委員長、首相補佐官、農林水産大臣などを歴任しています。共同通信は2025年の辞任時の記事で、こうした経歴から江藤氏を自民党内の農政に詳しい議員として紹介しました。
農水相辞任後の2025年8月には自民党農業構造転換推進委員長となり、2026年も新たな水田政策の策定に携わっています。
発言をめぐる批判は過去にもあった
2025年のコメ発言以前にも、2019年の農水相在任中、豚熱(CSF)の感染拡大をめぐる発言が批判を受け、撤回したことがあります。共同通信の人物記事も、農政での経験とともに過去の発言問題を取り上げています。
2025年のコメ発言では最終的に閣僚を辞任し、2026年の衆院選では宮崎2区で小選挙区の議席を失いました。ただし比例九州で当選して国会には残り、党内では農業政策を担当する役職を続けています。
江藤拓の事務所・公式ブログ・SNS
江藤氏は国会事務所のほか、宮崎県内に日向・延岡・高千穂の事務所を設けています。住所や電話番号は本人公式サイトの事務所案内で公開されています。
| 拠点 | 所在地 |
|---|---|
| 国会事務所 | 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院第2議員会館1207号室 |
| 日向事務所(後援会本部) | 宮崎県日向市大字財光寺233-1 |
| 延岡事務所 | 宮崎県延岡市安賀多町1-4-9 高島ビル2F |
| 高千穂事務所 | 宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1398-1 |
これらは政治活動のために公式に公開されている事務所です。私邸の詳しい所在地とは別の情報です。
ブログは長年利用していたExciteブログから移行し、現在はAmebaの公式ブログ「希望ある未来を拓く!!」を更新しています。地元自治体からの要望活動、農林業、道路・防災、地域行事など、国会での肩書きだけでは分からない日常の政治活動も掲載されています。
公式Xは@etoh_takuです。自民党公式の江藤拓議員プロフィールからも同アカウントへリンクされています。
農水相を退いた後も、江藤氏の活動の中心には農業、畜産、中山間地域、地方のインフラや防災といった宮崎の地域課題があります。2026年の衆院選で選出形態は小選挙区から比例代表へ変わりましたが、本人の活動拠点は引き続き宮崎2区に置かれています。

