明石市長として「子育て支援」を前面に出した市政で全国的に知られるようになり、2025年には参議院議員へ転身した泉房穂(いずみ・ふさほ)氏。参院選では兵庫選挙区から無所属で立候補し、82万票を超える得票で初当選しました。
その後は立憲民主党などとの共同会派に加わっていましたが、2026年9月に退会。現在は政党は「無所属」、参議院の会派上も「各派に属しない議員」として活動しています。
- 現在:参議院議員・兵庫県選挙区
- 政党:無所属
- 会派:各派に属しない議員
- 所属委員会:経済産業委員会(2026年9月5日の本人発表時点)
- 前職:明石市長、衆議院議員、弁護士、NHKディレクターなど
- 最近の動き:ひろゆき氏と「ひろゆき&いずみ新党(仮)」を立ち上げ、2027年統一地方選を見据えた活動を進めている
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 泉 房穂(いずみ ふさほ) |
| 生年月日 | 1963年8月19日 |
| 年齢 | 63歳(2026年9月現在) |
| 出身地 | 兵庫県明石市 |
| 現在 | 参議院議員 |
| 選挙区 | 兵庫県選挙区 |
| 所属政党 | 無所属 |
| 参議院当選回数 | 1回 |
| 学歴 | 明石西高校、東京大学教育学部 |
| 主な前職 | NHKディレクター、弁護士、衆議院議員、明石市長 |
| 資格など | 弁護士、社会福祉士、手話検定2級、柔道三段 |
| 家族 | 妻、娘、息子 |
| 公式サイト | いずみふさほWEB |
| 公式X | @izumi_akashi |
泉房穂は現在何党?立憲民主党ではなく「無所属」
泉房穂氏について最も混同しやすいのが、「政党」と「国会の会派」です。
泉氏は2025年の参院選に無所属の新人として兵庫県選挙区から立候補しました。立憲民主党から推薦を受けて当選し、当選後は参議院の共同会派「立憲民主・無所属」に参加しましたが、立憲民主党の所属議員になったわけではありません。
さらに2026年9月4日、参議院から泉氏の会派退会が発表されました。本人も翌5日に説明し、現在の所属会派は「各派に属しない議員」、所属委員会は「経済産業委員会」としています。
「国を待つことなく、地方から政治を変えていくことは可能だと思っている。」
出典:泉房穂公式サイト「会派退会について」
会派退会の背景として泉氏が挙げたのが、2027年春の統一地方選です。無所属の首長候補を支援し、地方自治体から政策を実行していく方針を示しています。
国政の状況についても、本人のXで継続的に発信しています。
2025年参院選で82万2407票を獲得して初当選
泉房穂氏が国政へ戻ったのは、2025年7月20日に投開票された第27回参議院議員選挙です。
| 選挙 | 2025年参議院議員選挙 |
|---|---|
| 選挙区 | 兵庫県選挙区 |
| 党派 | 無所属 |
| 得票数 | 822,407票 |
| 得票率 | 30.8% |
| 結果 | 当選・兵庫選挙区トップ |
兵庫県選挙管理委員会の開票結果では、泉氏は82万2407票を獲得。2位以下を大きく上回り、参議院議員として初当選しました。
出馬表明時に掲げた根底の考え方は、明石市長時代から繰り返してきた福祉重視の政治観でした。
「政治は弱い者、困った時のためにある」
出典:泉房穂公式サイト・参院選出馬表明記者会見
出馬時には「普通に働けば、普通に暮らしていける社会」「困った時は、お互い様の社会」も掲げています。
泉房穂は明石市長時代に何をした?代表的な実績
泉氏の政治家としての知名度を大きく高めたのは、2011年から2023年まで12年間務めた明石市長時代です。
中心に据えたのが「こどもを核としたまちづくり」。なかでも所得制限を設けない「5つの無料化」が広く知られています。
- 高校生までのこども医療費無料化
- 中学校給食費の無償化
- 第2子以降の保育料無料化
- 市内4公共施設の子どもの入場料無料化
- 0歳児家庭への「おむつ定期便」
これ以外にも、児童相談所機能を持つ明石こどもセンターの開設、こども食堂の全小学校区への展開、養育費支援、犯罪被害者支援、障害者への合理的配慮、手話・コミュニケーション施策などが進められました。詳しい制度は泉氏の明石市長時代の実績・政策に整理されています。
市長在任末期に明石市が発行した「広報あかし」は、泉市政12年間を振り返り、10年連続の人口増を記録したと紹介しています。2023年4月1日時点の人口は30万5131人でした。
市の公式広報では「子育て施策に力を入れた結果人口が増え、まちが元気に」と説明しています。人口動態は住宅開発や交通利便性など複数の要因から影響を受けますが、明石市自身が子育て政策を市政の主要な成果として位置付けていることは確かです。
市長在任中、泉氏はこうした子育て施策についてXでも頻繁に発信していました。
「明石でできたことを国でも」が国政復帰後の政策につながる
市長退任後の泉氏は、明石の子育て支援を全国へ広げるべきだと主張してきました。
2025年の参院選でも、明石で実施した子育て・教育支援を国レベルへ広げることを主要政策の一つに据えました。
泉房穂の政策は?国会では再審法や養育費問題にも取り組む
2025年の参院選で泉氏が示した政策は、子育て支援だけではありません。大きく見ると、家計負担の軽減、子ども・教育、福祉、多様性を柱としています。
- 国民が使えるお金を増やす:負担軽減によって家計の可処分所得を増やし、消費と経済を回す
- 子育て・教育:明石市で行った支援策を国でも展開する
- 高齢者・障害者福祉:年齢や障害の有無にかかわらず生活を支える制度を重視する
- 多様性:一人ひとりの事情を尊重する社会を掲げる
参議院議員になってからは法務分野でも活動しています。2026年には、養育費の履行確保、犯罪被害者支援、成年後見制度、再審制度などについて委員会で質問しました。
再審法改正をめぐって政府案に反対
2026年7月17日の参議院本会議では、刑事訴訟法改正案について反対討論に立ちました。泉氏は、冤罪被害者を救済するには幅広い証拠開示や検察官による抗告のあり方を見直す必要があると主張しています。
「今回の改悪で終わらせることなく、本来の改正を目指したい。私はあきらめない。」
出典:泉房穂公式サイト・2026年7月17日参議院本会議
泉氏は衆議院議員時代にも犯罪被害者基本法などの議員立法に関与しており、法律家として取り組んできた被害者支援が現在の国会活動にもつながっています。
泉房穂の経歴・学歴|明石西高校から東大、NHK、弁護士へ
泉房穂氏は1963年、兵庫県明石市二見町で漁師の家庭に生まれました。地元の二見小学校、二見中学校、兵庫県立明石西高校を卒業しています。
高校3年生の途中から東京大学受験を本格的に目指し、東京大学へ現役合格。教育学部を卒業しました。本人のプロフィールでは、大学時代は親から仕送りを受けず、授業料免除、奨学金、アルバイトで生活し、駒場寮の寮長も務めたと紹介されています。
| 年 | 主な経歴 |
|---|---|
| 1963年 | 兵庫県明石市に生まれる |
| 1982年 | 兵庫県立明石西高校を卒業、東京大学へ進学 |
| 1987年 | 東京大学教育学部卒業、NHK入局 |
| その後 | 民放番組制作、「朝まで生テレビ!」などに関わる |
| 1997年 | 弁護士登録 |
| 2000年 | 明石市で法律事務所を開設 |
| 2003年 | 衆議院議員に初当選 |
| 2011年 | 明石市長に就任 |
| 2023年 | 明石市長を退任 |
| 2025年 | 参議院議員に初当選 |
| 2026年9月 | 「立憲民主・無所属」会派を退会 |
NHKを辞め、石井紘基氏との出会いを経て政治の世界へ
大学卒業後はNHKにディレクターとして入局しましたが、長く在籍せず退職。その後は番組制作などに携わりながら、のちに衆議院議員となる石井紘基氏とも関わりました。
司法試験に合格して1997年に弁護士登録。2000年には地元明石で「いずみ法律事務所」を開設し、2003年の衆院選で国政へ進みました。衆議院議員は1期で、落選後は弁護士業務へ戻り、社会福祉士の資格も取得しています。
テレビ制作者、弁護士、国会議員、市長、再び国会議員という経歴をたどっている点は、泉氏のプロフィールの中でも特徴的です。
妻や子どもは?泉房穂の家族と弟のエピソード
泉氏の公式プロフィールで公表されている家族は、妻、娘、息子です。
妻や子どもたちは政治家として活動しているわけではなく、氏名や詳しい職業などの個人情報は公式プロフィールで広く公表されていません。
4歳下の弟との経験が福祉政策の原点になった
泉氏の生い立ちを語るうえで欠かせないのが、障害のある4歳下の弟の存在です。
サイボウズのインタビューで泉氏は、弟が一人では歩けず、家族でリハビリを続けたことや、地元の小学校への入学をめぐって行政側から特別支援学校を勧められた経験を語っています。
「1人ひとりの『わがまま』を応援できる社会をつくりたい」
出典:サイボウズ式・泉房穂×青野慶久対談
弟との経験は、少数派だからという理由で希望を切り捨てない社会をつくりたいという泉氏の政治観につながったと本人が説明しています。
本人のXでも、弟と学校をめぐる当時の経験について発信しています。
弟の現在の生活状況については、本人の公式プロフィールや近年の主要インタビューで詳しく公表されていません。ネット上の情報だけから現在の状況を断定するのは避けるべきでしょう。
暴言問題で辞任したのはなぜ?2019年と2022年の経緯
泉房穂氏の経歴では、子育て政策などと並んで市長時代の暴言問題も大きく報じられました。
2019年は職員への暴言で市長を辞職
問題となったのは、国道拡幅工事の用地買収が進んでいなかったことをめぐり、2017年に担当職員へ発した言葉でした。録音が2019年に報道され、「火を付けてこい」などの発言が明らかになりました。
泉氏は責任を取って2019年2月に市長を辞職。その後、3月17日の出直し市長選へ出馬し、8万795票、得票率70.4%で再び当選しました。
- 2017年:用地買収をめぐり職員へ暴言
- 2019年1月:録音内容が報道される
- 2019年2月:市長を辞職
- 2019年3月:出直し市長選へ出馬
- 80,795票を獲得して再選
2022年には市議への発言で「政治家引退」を表明
2022年には、市議2人に対して「賛成したら許さん」「選挙で落としてやる」などと発言したことが問題になりました。明石市議会では問責決議が可決され、泉氏は2023年4月の任期満了をもって政治家を引退すると表明しました。
「今回の暴言の責任をしっかりとりたい」
出典:日テレNEWS・2022年10月12日
実際に2023年には明石市長を退任しましたが、政治活動そのものから完全に離れた状態は続かず、講演やメディア出演を経て2025年に参院選への出馬を表明しました。
泉氏をめぐる評価が分かれる理由の一つはここにあります。報道では、子育て施策や人口増などの市政運営を支持する声が紹介される一方、職員や市議への強い言葉については継続して批判されてきました。
泉房穂はなぜ注目される?政策実績と強い発信力
泉氏への支持や注目度を考える際、選挙結果は一つの客観的な材料になります。2019年の出直し明石市長選では70%を超える得票率で再選し、2025年参院選では82万票を超えました。
明石市長時代には、「制度を検討する」だけでなく、無料化や支援制度を具体的に実施したことが繰り返し報道されました。
同時に、泉氏はXなどで行政や政治についてかなり直接的な表現を使う政治家でもあります。政策だけでなく、行政コストや既存制度への疑問を自ら発信することも少なくありません。
明石市長時代には「日本子育て支援大賞」をめぐる費用負担についても、本人のXで問題提起しました。
公式Xと「泉房穂の情熱ラジオ」|市長退任後も発信を継続
泉氏の公式Xは@izumi_akashiです。政策、国会活動、選挙、社会問題、メディア出演などについて日常的に投稿しています。
テレビだけでなく、YouTubeの「泉房穂の情熱チャンネル」でも国会活動や政治に関するライブ配信、対談などを行っています。
ニッポン放送「泉房穂の情熱ラジオ」
ラジオではニッポン放送の「泉房穂の情熱ラジオ」に出演。番組は2024年10月から2025年3月まで放送された後、2025年秋に復活しました。
2026年3月26日にも18時から21時まで生放送されており、政治や社会問題についてゲストを交えながら語っています。2026年9月時点では放送時期によって編成が変わるため、最新の放送予定はニッポン放送やradikoの番組情報で確認するのが確実です。
「ひろゆき&いずみ新党(仮)」とは?2027年統一地方選へ向けた新しい動き
2026年に入ってからの泉房穂氏をめぐる大きな動きが、ひろゆきこと西村博之氏との「ひろゆき&いずみ新党(仮)」です。
2026年7月には政治団体として届け出られ、泉氏は2027年春の統一地方選に向けて、全国の市長、区長、町長、村長などの首長選で候補者擁立を目指す方針を示しました。
- 2026年7月に政治団体として立ち上げ
- 中心人物は泉房穂氏と西村博之氏
- 2027年統一地方選の首長選を主な対象としている
- 公約を実際の予算案・条例案提出につなげる候補者を擁立する構想
- 2026年9月時点では名称に「仮」が付き、正式名称や具体的な候補者選定は進行中
泉氏は「約束を守る政治」「有言実行の政治」を掲げ、当選した候補者には公約した政策について予算案や条例案を実際に提出させる仕組みを構想しています。
この新党構想と、泉氏個人の国政上の党派は分けて考える必要があります。2026年9月16日時点で泉氏自身は参議院議員として無所属であり、立憲民主党所属でも、新たな国政政党所属になったわけでもありません。
本人公式サイトでは、2026年10月初めをめどに名称の発表や候補者公募を始める予定としており、現在は2027年統一地方選に向けた準備が進められています。

