大門実紀史(だいもん・みきし)氏は、日本共産党所属の参議院議員です。経済・金融・中小企業問題を長く扱い、歴代の首相や財務相を相手に国会質問を重ねてきました。
2022年の参議院選挙では次点となり一度国会を離れましたが、2024年10月、田村智子氏が衆院選へ立候補して参議院議員を自動失職したことに伴い、比例代表で繰り上げ当選し、5期目として国政へ復帰しました。現在も参議院議員として活動しています。参議院の議員プロフィールでは、2026年7月時点で内閣委員会、予算委員会、デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会への所属が掲載されています。
- 日本共産党の参議院議員・比例代表
- 1956年1月10日、京都市生まれ
- 京都市立日吉ケ丘高校卒、神戸大学中退
- 東京土建本部書記長など労働組合運動を経て政界へ
- 2001年に最初の繰り上げ当選、2024年に2度目の繰り上げ当選
- 経済、金融、中小企業、消費者問題を中心に国会で活動
- 家族は妻と二男
- 絵本収集が趣味で、2026年には絵本の著書も出版
| 名前 | 大門実紀史(だいもん みきし) |
|---|---|
| 生年月日 | 1956年1月10日 |
| 出身地 | 京都市 |
| 所属政党 | 日本共産党 |
| 議員 | 参議院議員 |
| 選挙 | 比例代表 |
| 当選回数 | 5回 |
| 学歴 | 京都市立日吉ケ丘高校卒、神戸大学中退 |
| 主な前職 | 東京土建本部書記長、全建総連中央執行委員 |
| 家族 | 妻、二男 |
| 主な分野 | 経済、金融、中小企業、消費者問題 |
| 公式サイト | 大門みきし公式サイト |
| 公式X | @mikishidaimon |
大門実紀史の現在|2024年に2度目の繰り上げ当選
大門氏の経歴で珍しいのが、参議院議員への繰り上げ当選を2度経験していることです。
最初は1998年の参議院選挙で次点となった後の2001年1月。以後、2004年、2010年、2016年の参議院選挙で当選しました。
2022年の参院選では再び次点となりましたが、2024年10月、当時参議院議員だった日本共産党委員長・田村智子氏が衆議院選挙の比例東京ブロックへ立候補し、自動失職。比例名簿の次点だった大門氏の繰り上げ当選が決まりました。日本共産党の発表によると、2024年10月22日に官報で公示され、正式に発効しています。
2026年9月現在も参議院比例代表選出の現職議員で、参議院公式プロフィールでは当選5回とされています。
「憲政史上まれにみる2度目の繰り上げ当選を果たしました。」
出典:しんぶん赤旗・議員団総会での発言
国政復帰後は経済政策だけでなく、個人情報保護、国家情報機関、科学技術政策、副首都構想などにも質問分野を広げています。2026年4月には参議院の内閣委員会でも質疑を行っています。
2026年には国家情報会議をめぐる法案についても、本人のXで国会審議の状況を発信しています。
大門実紀史の経歴|神戸大学を中退し、演劇青年から労働組合へ
大門氏は1956年、京都市北区紫野で生まれました。京都市立日吉ケ丘高校を卒業後、神戸大学へ進学したものの中退しています。
大学時代は政治家を目指していたわけではありません。本人の公式プロフィールに掲載されたインタビューでは、高校時代から小説家や劇作家に関心を持ち、学生演劇に熱中していたと語っています。
「高校生のころから小説家か劇作家になりたかった。」
出典:大門みきし公式サイト・プロフィールインタビュー
21歳で大学を中退して上京し、劇作家を目指して複数の劇団を経験。その後、生活協同組合でアルバイトをしていた23歳の頃に「しんぶん赤旗」を読むようになり、日本共産党へ入党したと説明しています。
政治活動では建設労働者との関わりが深く、東京土建本部書記長、全建総連中央執行委員、建設首都圏共闘会議議長などを歴任しました。1998年の参議院選挙に初出馬して次点となり、2001年に国会議員となっています。
- 京都市で生まれる
- 京都市立日吉ケ丘高校を卒業
- 神戸大学へ進学
- 学生演劇に熱中し、21歳で大学を中退
- 劇作家を目指して上京
- 23歳頃、日本共産党に入党
- 建設労働者の労働組合運動に携わる
- 1998年参院選へ出馬
- 2001年1月に初の繰り上げ当選
大門実紀史は何をしてきた?経済・金融を中心とした国会論戦
大門氏が長く担当してきた中心分野は、経済・財政・金融・中小企業政策です。参議院では予算委員会、財政金融委員会、消費者問題に関する特別委員会などで質問してきました。
政策の立場は日本共産党の経済政策と重なり、大企業や高所得層への負担強化、賃上げ、中小企業支援、社会保障の拡充、消費税負担の軽減などを主張しています。
「私は経済分野を担当してまいりました。」
出典:しんぶん赤旗・2024年11月の本人発言
2026年には政府の「積極財政」をめぐっても自身の考えをXで発信しています。
損害保険代理店の問題も国会で追及
金融分野では銀行や証券だけでなく、損害保険会社と保険代理店の取引関係にも取り組んできました。
大手損害保険会社による代理店の統廃合や取引上の圧力をめぐり、代理店側から相談を受けて国会で問題を取り上げています。ダイヤモンド・オンラインのインタビューでは、なぜ損保代理店問題に取り組むのかについて本人が経緯を説明しています。
消費者事故の被害者・遺族の問題にも関与
2009年の消費者庁設置をめぐる国会審議では、パロマ製ガス湯沸かし器事故やシンドラー社エレベーター事故で子どもを亡くした遺族の訴えを取り上げ、当時の麻生太郎首相に手紙を渡しています。
経済政策だけでなく、消費者保護や企業と個人の力関係も長く扱ってきたテーマです。
大門実紀史と麻生太郎|国会で何度も向き合った関係
大門氏の名前とともに麻生太郎氏が挙がる理由は、財政金融委員会や予算委員会で両氏が何度も質疑を交わしてきたためです。
麻生氏が首相だった2009年には定額給付金や家計消費をめぐって質問。第2次安倍政権では麻生氏が財務相・金融担当相を長く務めたため、森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん、国際課税、介護職の待遇、金融行政など幅広いテーマで質問しています。
2013年にはカジノを推進するIR議連について、当時財務相だった麻生氏が最高顧問に名を連ねている点を取り上げました。当時の国会質問では、金融担当相の立場との関係を問い、麻生氏が検討すると答えています。
2020年3月には森友学園問題をめぐり、財務省の調査のあり方について麻生氏へ再調査を求める場面もありました。政党・政策上の立場は大きく異なりますが、長年の国会論戦を通じて繰り返し対峙してきた組み合わせです。
安倍晋三の「トイレ」をめぐる大門実紀史のエピソードとは
大門氏と安倍晋三元首相については、政策論争とは別に「トイレ」をめぐるエピソードが知られています。
大門氏自身が2020年に寄稿した文章によると、2013年頃、安倍氏が予算委員会の審議中にトイレへ立つことが多かった際、当時の野党側から回数を制限する趣旨の意見が出ました。これに対し、大門氏は健康上の事情がある人のトイレを制限すべきではないとして反対したと振り返っています。
この逸話は大門氏本人が「政敵といえど」と題した文章で紹介したものです。政治的には安倍政権を厳しく批判していた一方、健康問題を政治的な攻撃材料にすることとは線を引いていました。
「大門氏が安倍氏のトイレ回数を批判した」という話ではなく、むしろ制限に反対した側という点は取り違えやすいところです。
今井絵理子への批判に異論を唱えたことも
党派を超えた人物評価が話題になった例として、自民党の今井絵理子氏をめぐる発言もあります。
2024年11月、大門氏は今井氏に対する批判が強まった際、聴覚障害者支援に取り組んできた点や、自身の議員室へ相談に来たことに触れ、元アイドルという経歴だけで能力を決めつけて批判することに異論を示しました。
日本共産党と自民党という政治的立場の違いとは別に、個々の議員の活動については党派だけで判断しない姿勢が表れた発言として注目されました。
カジノ・副首都構想には一貫して批判的
大門氏が長く取り組んできたテーマの一つがカジノを含むIR政策です。2018年には『カジノミクス』を出版し、カジノ解禁や金融政策などを批判的に論じています。
2026年の国会では、自民党と日本維新の会が進めた「副首都」関連法案にも反対しました。大阪への大型投資や規制緩和、カジノとの関係などを問題として取り上げています。
本人のXでは、京都生まれであり、本家が大阪の造り酒屋であることにも触れながら、副首都構想への考えを発信しています。
2026年9月には、立場の異なる論者との対談後にも、経済政策や消費税、副首都法案について議論したことを投稿しています。
妻と息子は?大門実紀史の家族
大門氏の公式プロフィールでは、家族について「妻と二男」と公表されています。つまり、息子が2人います。
一方で、妻や2人の息子について、氏名・職業などの詳しいプロフィールは公式情報では広く公表されていません。ネット上の情報だけから勤務先などを断定する根拠はありません。
- 妻がいる
- 息子が2人いる
- 孫がいることも本人がエッセイで明かしている
- 妻・息子の氏名や職業などは広く公表されていない
2022年の本人エッセイでは、孫についても触れています。小学2年生だった孫が重度の難聴でろう学校へ通っており、手話でコミュニケーションを取っている様子を書いています。
実家は造り酒屋?父母と子ども時代
大門氏の公式プロフィールには、本家は大阪・交野の造り酒屋とあります。大門氏自身が酒造業を営んでいたという意味ではありません。
父親は大阪・北河内の造り酒屋の末っ子で、映画の美術監督をしていたと本人が語っています。両親は大門氏が小学生の頃に離婚し、その後は母親が4人の男児を育てました。
母親が働きながら子どもたちを育てる姿を見た経験について、大門氏は後に日本共産党へ入る背景の一つとして語っています。
大門実紀史は絵本好き|2026年には『心をうるおす絵本50選』を出版
政治活動とはかなり印象が異なる一面が、絵本の収集です。公式プロフィールでも趣味として紹介され、Instagramなどで絵本を取り上げてきました。
2026年7月には、新日本出版社から『心をうるおす絵本50選 大人こそ絵本を読もう』を出版しました。「平和」「家族」「いのち」「多様性」などを軸に50冊を紹介する内容です。
出版後には本人のXでも同書について発信しています。
新日本出版社からはこのほか、『やさしく強い経済学――逆転の成長戦略』『カジノミクス』『ルールある経済って、なに?』『新自由主義の犯罪』『「属国ニッポン」経済版』などを刊行しています。
| 主な著書 | テーマ |
|---|---|
| 心をうるおす絵本50選 | 大人向けの絵本ガイド |
| やさしく強い経済学 | 経済政策・成長戦略 |
| カジノミクス | カジノ、金融・経済政策 |
| ルールある経済って、なに? | 社会的公正と経済 |
| 新自由主義の犯罪 | 新自由主義批判 |
「面白い」と言われる理由|国会論戦とは違う人物像
大門氏の公式プロフィールには、中学生の頃に学校へ行かず京都・新京極を歩き回っていたこと、恩師との出会いで立ち直ったこと、演劇青年だったことなど、一般的な政治家プロフィールではあまり見られないエピソードが掲載されています。
座右の銘は「意気に感じる心」。中学時代の恩師から聞いた言葉で、その後も大切にしていると説明しています。
「真実を知ることは人生にとって最も大事なことです。」
出典:大門みきし公式サイト・プロフィールインタビュー
安倍晋三氏の健康問題をめぐって党派を越えて配慮を示したことや、今井絵理子氏への批判に異論を唱えたことも、国会で政府を追及する姿とは別の面を伝えるエピソードです。
現在は経済だけでなくデジタル・情報・地方制度も国会で扱う
2026年の大門氏は、従来の経済・金融分野に加え、科学技術の軍民両用、個人情報保護、国家情報機関、副首都制度などについても国会で質問しています。
参議院公式情報では、内閣委員会と予算委員会、デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会に所属。2024年に国政へ復帰した後も、現役の参議院議員として国会質問を続けています。
日本共産党公式サイトには、大門氏のメッセージとして次の言葉が掲載されています。
「誰もが生まれてきてよかったと思える社会にしたい。」
出典:日本共産党公式サイト・国会議員紹介
大門氏の公式サイトの国会質問一覧では、2001年以降の質問と近年の動画・資料を確認できます。

