平林晃(ひらばやし・あきら)氏は、情報工学の研究者・大学教授から国政へ転じた衆議院議員です。東京工業大学、山口大学、立命館大学で研究・教育に携わった経験を持ち、デジタル政策や科学技術、地方創生、平和・核兵器問題などに取り組んでいます。
2026年には所属政党をめぐる大きな動きもありました。現在の所属、公明党と「中道」の関係、比例中国ブロックでの選挙、研究者時代から国会での活動まで、順に見ていきます。
| 名前 | 平林 晃(ひらばやし あきら) |
|---|---|
| 生年月日 | 1971年2月2日 |
| 年齢 | 55歳(2026年10月時点) |
| 出身地 | 愛知県名古屋市 |
| 所属政党 | 公明党 |
| 議員種別 | 衆議院議員 |
| 選挙区 | 比例中国ブロック |
| 当選回数 | 3回 |
| 初当選 | 2021年 |
| 前職 | 立命館大学情報理工学部教授 |
| 学位 | 博士(工学) |
| 現在の党役職 | 公明党中央幹事 |
| 公式サイト | 平林晃オフィシャルウェブサイト |
| 公式X | @hb_hirabayashi |
平林晃は現在、公明党の衆院議員|「中道」との関係は?
平林晃氏の現在の所属を整理すると、政党は公明党、衆議院で所属する会派は「中道」です。この2つを分けて見る必要があります。
- 2026年2月の衆院選では「中道改革連合」から比例中国ブロックに立候補
- 衆院選で当選し、3期目へ
- 2026年9月、中道改革連合が分かれる方針に
- 9月24日、公明党出身の衆院議員28人の復党が承認され、平林氏も公明党へ復党
- 衆議院では、公明党所属議員らが参加する統一会派「中道」に所属
2026年2月の第51回衆院選は中道改革連合の候補として戦いましたが、同年9月に党が分かれることになりました。平林氏は9月10日、自身の公式サイトで当時の思いを次のように記しています。
「『平和を守る』『生活者ファースト』という信念は、これからも決して変わることはありません。」
出典:平林晃公式サイト「党の方針を受けて」
その後、公明党は9月24日に平林氏ら28人の復党を承認しました。党の新体制では、平林氏は党中央幹事にも名を連ねています。
一方、衆議院の会派別議員一覧では「中道」所属となっています。したがって、現在の状態を一言で表すなら、「公明党所属・衆院会派『中道』」です。
公明党復党後には、新しい党執行部について公式Xでも発信しています。
平林晃の選挙区は比例中国ブロック|2026年に3期目
平林晃氏の選挙区は、衆議院の比例代表・中国ブロックです。中国ブロックは鳥取・島根・岡山・広島・山口の5県で構成されます。
広島県内の特定の小選挙区から選ばれている議員ではありません。中国地方全体を対象とする比例代表選出の衆議院議員です。
| 衆院選 | 年月 | 立候補した政党 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第49回 | 2021年10月 | 公明党 | 初当選 |
| 第50回 | 2024年10月 | 公明党 | 2選 |
| 第51回 | 2026年2月 | 中道改革連合 | 3選 |
2026年2月8日の第51回衆院選では、中道改革連合の比例中国ブロック名簿で斉藤鉄夫氏に続く2番目に登載されました。同党は中国ブロックで2議席を獲得し、平林氏も当選しています。
初当選から一貫して比例中国ブロックで当選しており、2026年の当選で衆議院議員3期目となりました。
立命館大学教授から政界へ|平林晃の学歴・経歴
平林晃氏の政治家になる前のキャリアは、ほぼ一貫して情報工学の研究・教育です。本人の公式プロフィールによると、大学教員として約26年間勤務しました。
| 時期 | 主な経歴 |
|---|---|
| 1989年 | 愛知県立旭丘高校卒業 |
| 1993年 | 東京工業大学工学部情報工学科卒業 |
| 1995年 | 東京工業大学大学院情報理工学研究科修士課程修了、同大学助手 |
| 1999年 | 東京工業大学で博士(工学)取得 |
| 2000年 | 山口大学工学部講師 |
| 2002年 | 山口大学助教授、のち准教授 |
| 2004年 | スイス連邦工科大学ローザンヌ校へ留学 |
| 2009年 | インペリアル・カレッジ・ロンドンへ留学 |
| 2013年 | 立命館大学情報理工学部教授 |
| 2021年 | 立命館大学を退職、衆院選で初当選 |
国会へ入った直後の2022年、文部科学行政について質問した際には、自身の経歴を簡潔に紹介しています。
「前職は、二十六年間、大学教員をさせていただいておりました。」
出典:衆議院・第208回国会予算委員会第四分科会
研究分野は信号処理・画像処理
東京工業大学では情報工学を学び、研究者になってからは信号処理、画像処理、標本化、圧縮センシングなどを専門としてきました。
山口大学時代にはスイス、英国でも研究し、2013年に立命館大学情報理工学部教授へ就任。2015年にはメディア情報学科長、2017年から2年間は副学部長を務めました。
平林晃は医師?同姓同名の医師との混同に注意
平林氏について「医師」という情報を探すと、少し紛らわしい検索結果が出てきます。
政治家の平林晃氏は、医師ではなく、博士(工学)の情報工学研究者です。一方、広島市の広島ベイクリニックには、同姓同名の「平林晃」医師が院長として掲載されています。公開されている経歴が異なる別人です。
もう一つ紛らわしいのが山口大学時代の所属です。KAKENの研究者情報では「大学院医学系研究科」に所属した時期がありますが、研究分野は知覚情報処理・画像処理・信号処理など。山口大学では工学系研究者として活動していました。
平林晃が掲げる政策|科学技術・デジタル・地方・平和が柱
本人公式サイトの政策では、大学教授出身という経歴が色濃く出た科学技術とデジタル政策に加え、地方創生、防災、エネルギー、平和政策を掲げています。
| 分野 | 主な方向性 |
|---|---|
| デジタル | 行政の「書かない窓口」「行かない窓口」、医療・教育のデジタル化、人材育成 |
| 科学技術 | 大学予算、研究時間、若手研究者支援、博士人材の強化 |
| 地方創生 | 光ファイバー・5G、地域産業の生産性向上、地方大学の活性化 |
| エネルギー・防災 | 再エネ拡大、AIなどを活用した防災、災害に強い国土形成 |
| 平和・核兵器 | 非核三原則の堅持、核共有に反対、核兵器禁止条約批准への環境整備 |
「科学技術の復興」は研究者経験からの重点政策
平林氏が特に継続して取り上げているのが日本の研究力低下と大学の研究環境です。
2025年12月の衆議院文部科学委員会では、授業やゼミ、入試、会議などに追われる大学研究者の実情を、自身の経験を交えて語りました。
「そうしたことで費やされた時間と気力の残りを振り絞って研究をする、こういう状況であります。」
出典:衆議院・第219回国会文部科学委員会
国立大学への基盤的経費、研究費、博士人材、大学と産業界の人材交流などを国会で取り上げています。
山口大学の学長らが議員会館を訪れた際にも、大学の財政と研究環境について発信しています。
AI・行政デジタル化では「利用」と「リスク」の両面を扱う
情報工学の専門性はAI政策にもつながっています。2026年3月の衆議院予算委員会では、政府の生成AI利用環境、AI政策の評価指標、AI新法、国立大学の研究支援などを質問しました。
子どもと生成AIをテーマにした日本若者協議会のパネルディスカッションにも参加し、技術を推進するだけではなく、AIが子どもの発達へ与える影響などのリスクについても議論しています。
非核三原則と核兵器のない世界
平和政策では、非核三原則の堅持を明確に掲げています。本人の政策ページでは、核兵器の威嚇・使用や核共有に反対し、日本が核保有国と非保有国の橋渡し役を担う方針を示しています。
2026年4月には、日本被団協が主催した非核三原則の厳守・実行を求める集会に参加したことをXで発信しました。
平林晃は国会で何をしてきた?実際に取り組んだ主なテーマ
政策として掲げているテーマとは別に、国会では再審制度、生成AI、情報通信、インターネット上の偽・誤情報、選挙制度などを具体的に取り上げています。
- 再審法改正と冤罪被害者の早期救済
- 政府・行政における生成AIの利活用
- SNS上の偽情報・誤情報とプラットフォーム対策
- インターネット広告と選挙運動のルール
- 衆議院選挙制度の抜本改革
再審法改正では衆院本会議で討論
2026年には、刑事事件で確定判決をやり直す「再審」の制度改正が国会の大きな論点になりました。
平林氏は6月16日の衆議院本会議で会派を代表して討論に立ち、政府提出の刑事訴訟法改正案に反対し、中道改革連合などが提出した対案に賛成しました。
「冤罪は、被害者やその御家族の人生を大きく狂わせ、時にはその生命をも奪いかねない国家による究極の人権侵害」
出典:衆議院・第221回国会本会議
生成AIやSNSの偽情報を国会で質問
2026年3月5日の予算委員会では、デジタル庁の生成AI利用やAI新法、日本の研究力強化を質問。同日の総務委員会やその後の委員会では、情報通信、自動運転、選挙での有料インターネット広告、SNS規制、偽情報・誤情報への対応なども取り上げました。
技術を専門としてきた議員という経歴を生かし、AIを導入する側の政策と、悪用や過度な依存を防ぐ側の制度を同時に扱っているのが、この分野での特徴です。
2026年9月には選挙制度の抜本改革を要請
2026年9月29日には、衆院選挙制度の改革をめざす超党派議員連盟の一員として、衆議院選挙制度協議会の鈴木馨祐座長へ申し入れを行いました。
比例代表だけを削減する案に反対し、議員定数だけを切り離すのではなく、選挙制度の骨格と一体で抜本改革を議論するよう求めています。
平林晃と広島・中国地方の関係|広島に事務所を置く
平林晃氏の出身地は愛知県名古屋市ですが、現在の政治活動の大きな基盤は中国地方です。
山口大学で10年以上勤務した経験があり、2021年以降は比例中国ブロックから3回当選しています。広島市には議員事務所を置き、広島・山口を含む中国5県で政治活動を続けています。
東京事務所
〒100-8981 東京都千代田区永田町2丁目2-1 衆議院第一議員会館507
広島事務所
〒732-0057 広島県広島市東区二葉の里1丁目1-72 G.C二葉通り901号室
平和・核兵器問題への活動も広島との接点が深いテーマです。2026年9月には東京都江東区の都立第五福竜丸展示館を訪れ、ビキニ環礁での水爆実験と第五福竜丸被ばく事件の歴史を学んだことを発信しています。
平林晃の人物像|科学好きの少年から情報工学研究者へ
政治家としての経歴から離れて見ると、平林氏は幼い頃から科学への関心が強い人物でした。
- 1971年、名古屋市北区で誕生
- 両親と2歳上の姉の4人家族で育つ
- 小学生の頃はプラネタリウムの天文クラブに所属
- 卒業文集には将来の夢として「天文台を造りたい」と記した
- 小学校では野球、中学校ではサッカー、高校では体操部
- 高校2年時には体操部の主将を務めた
高校時代には物理学への進学も考えていましたが、電算関係の仕事をしていた父から「これからは情報の時代だ」と勧められ、東京工業大学で情報工学を学ぶ道へ進んだと公式プロフィールで紹介されています。
もう一つ、後の政治活動とつながる経験が2000年の東海豪雨です。山口大学へ赴任した直後、名古屋の実家が浸水被害を受けました。家族の命は無事だったものの家財などを失い、本人はこの経験を防災・減災政策の原点の一つとして挙げています。
大学教員26年という専門職経験を持って国政へ入った理工系出身の議員であり、研究者時代の経験が科学技術、AI、デジタル、防災などの政策テーマへ直接つながっています。
2026年秋は教育・新技術・地域産業の現場も視察
公明党へ復党した2026年9月には、国会内の活動だけでなく各地の現場にも足を運んでいます。
- 9月17日:千葉大学で次世代型太陽電池を視察
- 9月20日:広島県呉市の「TADANO X-BASE」オープニングセレモニーに参加
- 9月22日:広島県三次市の公明党三次支部会に出席
- 9月25日:都立第五福竜丸展示館を見学
- 9月28日:山口県立山口高校を訪れ、公立高校改革の現状を視察
- 9月29日:衆院選挙制度の抜本改革を求める申し入れ
山口高校では、国の「高等学校教育改革促進基金事業」の採択後の状況を確認しました。大学教授として教育・研究の現場に長くいた経験を持つ平林氏にとって、科学技術だけでなく学校教育や研究環境を現場から政策につなげる活動は継続的なテーマになっています。
2026年2月の3選、9月の公明党復党を経て、現在は比例中国ブロック選出の衆議院議員として活動を続けています。

