百田尚樹(ひゃくた・なおき)氏は、『永遠の0』『海賊とよばれた男』などで知られる作家であり、テレビの放送作家を長く務めた後、政党を立ち上げて国政へ進んだ人物です。
2026年9月現在は、日本保守党の代表・創設者で、参議院比例代表選出の国会議員。作家として知った人と、政党代表として知った人では、百田氏に対する印象がかなり異なるかもしれません。
ここでは、現在の立場や政策、若い頃から放送作家・小説家になるまでの経歴、2025年の参院選、妻や子供、病気、代表作、公式X(旧Twitter)と「百田尚樹チャンネル」、発言をめぐる論点まで整理します。情報は2026年9月28日時点です。
- 1956年2月23日、大阪市生まれ
- 同志社大学法学部を中退し、1980年から放送作家として活動
- 50歳の2006年に『永遠の0』で小説家デビュー
- 『海賊とよばれた男』で2013年本屋大賞を受賞
- 2023年に有本香氏と日本保守党を立ち上げる
- 2025年参院選の比例代表で初当選
- 2026年現在は日本保守党代表と参議院議員を兼ねる
百田尚樹のプロフィール|現在は日本保守党代表・参議院議員
| 名前 | 百田 尚樹(ひゃくた なおき) |
|---|---|
| 生年月日 | 1956年2月23日 |
| 年齢 | 70歳(2026年9月現在) |
| 出身地 | 大阪市 |
| 国籍 | 日本 |
| 学歴 | 同志社大学法学部中退 |
| 主な前職 | 放送作家、小説家 |
| 所属政党 | 日本保守党 |
| 党役職 | 代表・創設者 |
| 議員種別 | 参議院議員 |
| 選挙区 | 比例代表 |
| 初当選 | 2025年7月 |
| 当選回数 | 1回 |
| 任期満了 | 2031年7月28日 |
| 公式情報 | 参議院議員プロフィール / 日本保守党プロフィール |
| 公式X | @Hoshuto_hyakuta |
参議院の公式プロフィールでは、2026年9月27日現在、経済産業委員会、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会、資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会に所属しています。
百田氏は「作家が政治について発信している」段階ではなく、現在は国会議員として議席を持つ政治家です。2025年7月の第27回参議院議員通常選挙で比例代表から初当選しました。
参院選では日本保守党が比例代表で2議席を獲得し、百田氏と弁護士の北村晴男氏が当選。選挙ドットコムの開票結果では、百田氏の個人名得票は128,863票でした。
当選後、百田氏は自身のXで国会活動や党の政策について継続的に発信しています。予算案をめぐる政党間のやり取りについても、自らの説明を投稿しました。
百田尚樹はどんな人?若い頃から放送作家になるまで
百田氏の経歴は、最初から政治や文学の世界を一直線に進んだものではありません。学生時代は映画に熱中し、大学ではボクシング部に入り、テレビ番組への出演をきっかけに放送業界へ入りました。
高校時代は奈良で過ごし、同志社大学ではボクシング部へ
公式な参議院プロフィールと日本保守党プロフィールが明記している最終学歴は、同志社大学法学部中退です。
出身高校は人物資料などで奈良県立添上高等学校と紹介されています。一方、公的プロフィールには高校名の掲載がありません。本人が語ったWEB本の雑誌「作家の読書道」では、高校時代に奈良へ移り、映画を数多く見ていたことが語られています。
同志社大学ではボクシング部に所属。本人によれば毎日のように練習し、大学には5年間在籍した後に中退しました。検索されることの多い「百田尚樹のボクシング経験」は、本人インタビューでも具体的に語られている経歴です。
2026年には、若い頃に大阪のレコード店へ通った思い出など、政治とは離れた自身の青春時代についてもXに投稿しています。
学生時代のテレビ出演から放送作家へ
大学在学中には、朝日放送の恋愛バラエティー番組『ラブアタック!』へ出演。本人インタビューによると、番組への出演を重ねる中でテレビ局のディレクターやプロデューサーと知り合い、大学中退後に放送作家の仕事を勧められました。
1980年から放送作家として活動し、後に朝日放送テレビの『探偵!ナイトスクープ』をはじめ、多数のテレビ番組の構成を担当します。現在の政治活動とはかなり異なるキャリアですが、百田氏は20代から40代までの長い期間をテレビ制作の現場で過ごしました。
29歳で一度小説を書き、50歳前に再挑戦した
小説家への転身も突然ではありません。「作家の読書道」で、29歳ごろに約2100枚の長編を書いたものの、そのころ結婚し子供も生まれたため、生活を支えるためテレビの仕事へ力を入れたと振り返っています。
「小説のことは忘れて、30代から40代はずっとテレビの仕事ばかりです。」
出典:WEB本の雑誌「作家の読書道」
50歳を前に再び小説を書き始め、2006年に『永遠の0』でデビューしました。放送作家として約四半世紀を過ごした後に小説家となったことが、百田氏の経歴の大きな転換点です。
作家・百田尚樹の代表作|『永遠の0』から『海賊とよばれた男』まで
百田氏は政治活動を始める以前から、ベストセラー作家として全国的に知られていました。小説、歴史を題材にした作品、社会評論など執筆分野は幅広く、映像化された作品もあります。
| 作品 | 主な位置づけ |
|---|---|
| 『永遠の0』 | 2006年の小説家デビュー作。後に映画化 |
| 『ボックス!』 | 高校ボクシングを題材にした青春小説。映画化 |
| 『影法師』 | 江戸時代を舞台にした時代小説 |
| 『モンスター』 | 容姿と人生を題材にした長編小説 |
| 『プリズム』 | 一人の男性をめぐる心理を描いた小説 |
| 『海賊とよばれた男』 | 2013年本屋大賞受賞作。映画化 |
| 『フォルトゥナの瞳』 | 他人の死の運命が見える青年を描く小説。映画化 |
| 『カエルの楽園』 | 寓話形式で安全保障などを描いた作品 |
| 『日本国紀』 | 日本史を扱った著書 |
| 『モンゴル人の物語』 | 2025年から刊行されたモンゴル帝国史を扱うシリーズ |
なかでも『海賊とよばれた男』は、全国の書店員による投票で選ばれる2013年第10回本屋大賞を受賞しました。
新潮社の著者プロフィールには2025年刊行の『モンゴル人の物語』も掲載されており、国会議員となった後も「作家」という肩書がなくなったわけではありません。
政治家としての百田尚樹氏だけを見ていると見落としやすいのが、テレビ構成と小説執筆がキャリアの大半を占めてきたことです。
なぜ日本保守党を結党した?有本香と立ち上げた政党
百田氏は2010年代に入ると政治や社会問題について発信する機会を増やし、2013年からNHK経営委員を1期務めました。その後も評論やインターネット番組などで政治的な発言を続け、2023年9月、有本香氏とともに日本保守党を立ち上げました。
党公式プロフィールでは百田氏を「代表/創設者」と位置付けています。有本氏は党運営の中心人物の一人で、百田氏とともに結党に関わりました。
「私の残りの人生を、この党とともに歩むことをお誓いします。」
出典:日本保守党・結党宣言
結党宣言では「日本を豊かに、強く」を掲げ、経済、皇室・伝統文化、安全保障、移民政策などを党の主要テーマに据えました。
| 税・経済 | 食料品・酒類の消費税率を恒久的に0%、所得税や住民税の減税 |
|---|---|
| 安全保障 | 憲法9条改正、スパイ防止法制定、諜報専門機関の設置など |
| 外交 | 価値観外交、北朝鮮拉致問題への圧力・国際連携強化、台湾関連法制定 |
| 外国人政策 | 受け入れ総数・相手国の規制、経営・管理ビザや家族帯同制度の見直しなど |
| エネルギー | 再エネ賦課金廃止、火力発電技術の活用、EV補助金廃止など |
| 政治制度 | 議員報酬引き下げ、政党交付金削減、資金管理団体の世襲禁止 |
| 教育・文化 | 教科書検定制度見直し、専門教育拡充、LGBT理解増進法の改正など |
上表は日本保守党が2026年8月6日に改訂した重点政策を整理したものです。これらは党が掲げる政策であり、すべてが成立・実現した政策という意味ではありません。
外国人政策を強く打ち出している
2026年版の重点政策では「移民政策の是正」を独立項目として設け、外国人受け入れ数、在留資格、健康保険・年金などの制度見直しを掲げています。百田氏自身もXで、この問題を継続的に取り上げています。
百田氏の政治姿勢を把握するには、抽象的な思想ラベルより、減税、安全保障、皇室・伝統文化、外国人政策といった具体的な主張を見る方が分かりやすいでしょう。
参議院議員として何をしている?選挙後の国会活動
2025年7月に初当選してからは、政党代表だけでなく参議院議員として質問主意書の提出や委員会活動を行っています。
たとえば2025年10月には、「医師の応招義務及び不法滞在の外国人の医療費支払等に関する質問主意書」を提出。12月には再質問に加え、「帰化の許可及び永住許可の要件厳格化に関する質問主意書」や生活保護費に関する質問主意書を提出しています。
これらは、日本保守党が重点政策として掲げている外国人政策や社会保障制度に関する問題意識を、国会で政府への質問という形にしたものです。質問に対しては政府から答弁書も出されています。
2026年には皇室制度をめぐる国会での協議にも参加。日本保守党は党公式サイトで、百田氏による皇室典範改正に関する意見表明を複数回公表しています。
「何をした政治家なのか」を見る場合、百田氏は2025年に初当選した1期目の議員である点には注意が必要です。小説家や党代表としての活動歴は長い一方、国会議員としての実績は2025年夏以降に積み上がり始めた段階です。
百田尚樹のX(Twitter)は?「百田尚樹チャンネル」も運営
百田氏はインターネットでの発信量が多く、政治活動だけでなく、本、テレビ、音楽、日常生活まで幅広く投稿しています。
「百田尚樹チャンネル」は2019年にYouTubeチャンネルを開設しており、2026年9月にも新しい配信が公開されています。政治の話題だけでなく、作家活動や時事問題、ゲストとの対談などを扱います。
2026年夏には、有料チャンネルの運営方針についても本人がXで説明しました。
現在の政治活動を追う場合は、日本保守党公式サイトと本人のXを併せて見ると、国会活動と本人発信を分けて確認できます。
妻や子供は?百田尚樹の家族について分かっていること
百田氏は結婚しており、子供がいます。ただし、妻や子供は政治家本人とは異なる私人でもあり、公表されている情報は限られています。
家族構成について一次情報として分かるのは、2010年の本人インタビューで、結婚後に子供が生まれ、「2人目」ができた時期に妻が仕事を辞めたと語っていることです。少なくとも子供が2人いることは本人の発言から読み取れます。
2025年の参院選当選後には、自宅へ戻った際のエピソードで「嫁さん」と「息子」に言及したことがスポニチでも報じられています。
子供の大学名や詳しい職業などについて、今回確認した公的資料・本人の主要な一次情報で確定できる情報はありません。ネット上にある学校名などを事実として掲載するのは避けた方がよいでしょう。
妻について本人が語ることもある
2026年2月、百田氏は出雲大社を訪れた際、妻の父や母方の祖父母が出雲出身だと投稿し、妻との縁にも触れました。
妻について「美人」といった表現もインターネット上では見られますが、これは客観的に確認できるプロフィール情報ではなく見た人による主観的な評価です。年齢や詳細な経歴なども、政治家本人のプロフィールのように体系的には公表されていません。
なお、百田氏の公的な氏名表記は参議院でも「百田 尚樹」です。「別の本名」が公表されているわけではありません。
百田尚樹の病気は?がんと手術を公表
百田氏は自身の健康状態について、XやYouTubeでたびたび公表してきました。
2023年12月には、がんと診断され翌2024年1月に手術を受ける予定だと明らかにしました。ORICON NEWSは本人のYouTubeとXでの発信を報じています。
「多分ですが、手術をしたら治るでしょう。仮に上手くいかなくても、それは天命です」
出典:ORICON NEWS・本人X発言
その後、2025年10月のスポニチ報道では、2024年1月と2月に腎臓がんの手術を2度受けていたこと、2025年には腫瘍マーカーから腎臓以外の悪性腫瘍の可能性を本人が公表したことが伝えられています。
「悪性腫瘍の疑い」と、その後に確定診断が出たかどうかは分ける必要があります。今回確認した信頼できる公表資料だけから、2026年現在の病状や治療結果を断定することはできません。
少なくとも政治活動については、2026年8月にも党代表として公式発表や選挙対応を続け、9月時点でも参議院議員として在職しています。
発言をめぐる批判・論争|撤回や謝罪をしたケースも
百田氏はテレビ、YouTube、Xなどで発言する機会が多く、その内容をめぐって批判や論争が起きたこともあります。ここでは、本人の前後の説明まで確認できる代表的な事例を扱います。
2024年の少子化をめぐる「子宮摘出」発言
2024年11月、YouTube番組で少子化対策を議論していた際、百田氏は「小説家のSFと考えて下さい」と前置きし、実施すべきではない極端な例として、女性について「25歳を超えて独身の場合は、生涯結婚できない法律」「30超えたら子宮を摘出する」などと発言しました。
発言は強い批判を受け、百田氏は2日後に撤回して謝罪しています。党の正式な少子化政策として「子宮摘出」を提案したものではありませんが、仮定の例として用いた表現そのものが問題視されました。
「聞いた人が不快に思うということで発言を撤回して謝罪する」
出典:TBS NEWS DIG
2026年には辺野古沖の船転覆事故をめぐる発言を撤回
2026年3月には、沖縄県名護市辺野古沖で起きた船転覆事故についてYouTubeで発言。亡くなった高校生らが基地反対の意思で船に乗ったとの前提で話したことに対し、遺族を名乗るアカウントから事実関係への抗議がありました。
J-CASTニュースによると、百田氏は4月2日、新聞の第一報などからそう思い込んでいたと説明した上で発言を撤回し、遺族へ謝罪しました。
「真実を確認しないままに発言したことはあまりにも軽率でした」
出典:J-CASTニュース・本人X発言
百田氏について発言だけを切り取って見る場合は、発言時の文脈だけでなく、その後に撤回・訂正・謝罪があったかまで確認する必要があります。
2026年現在も党代表として政治活動を継続
2026年に入ってからも、百田氏は日本保守党代表として党運営と国会活動を続けています。
党は1月の新春メッセージで、税・社会保険料、少子化、外国人政策、エネルギー、安全保障などを主要課題として提示。百田氏は年頭に次のように述べました。
「令和八年を日本復活の最初の年にしましょう。」
出典:日本保守党「新春に寄せて」
7月には皇室典範改正をめぐる意見表明、8月には重点政策の改訂が行われ、8月19日には沖縄県知事選への対応を「日本保守党(代表:百田尚樹)」として発表しています。
作家として50歳でデビューし、60代後半で政党を立ち上げ、69歳で初めて国会議員になったという経歴は一般的な政治家のキャリアとは大きく異なります。2026年現在の百田尚樹氏は、作家・ネット発信者という従来の活動を残しながら、日本保守党代表と参議院議員という二つの政治的な立場を持っています。

