古賀千景(こが・ちかげ)氏は、福岡県の公立小中学校で約30年間勤務した元教員で、日本教職員組合(日教組)の特別中央執行委員などを経て国政に進んだ立憲民主党の参議院議員です。
2026年6月には、参議院決算委員会で自衛隊を志望する若者について述べた発言が大きな批判を受け、党から厳重注意を受けました。古賀氏自身も発言を撤回し、その後あらためて謝罪しています。
この記事では、発言と処分の内容から、日教組との関係、教員時代の経歴、夫や子供について公表されている範囲、2022年参院選、現在の役職、教育政策まで整理します。
古賀千景の自衛隊発言は何だった?処分までの経緯
古賀千景氏をめぐって2026年に最も大きな論争となったのが、6月15日の参議院決算委員会での自衛隊に関する発言です。
質疑のテーマは、防衛省が小中学校向けに作成した冊子「まるわかり!日本の防衛~はじめての防衛白書」でした。古賀氏は冊子の内容や、公費を使って学校へ広く配布することの妥当性を問題として取り上げています。
その質疑中、自衛隊を進路として選ぶ子どもについて発言し、次の言葉が問題になりました。
「豊かな子どもたちは自衛隊とかなりませんよ。」
出典:TBS NEWS DIG・2026年6月15日報道
古賀氏は直後に「失礼しました」と訂正し、さらに質疑の中で発言を撤回しました。小泉進次郎防衛大臣は、自衛官の子どもたちへの配慮を欠き、事実認識としても違うと反論しています。
- 2026年6月15日:参議院決算委員会で発言。その場で訂正・撤回
- 6月15日:本人公式Xでも不適切な表現だったとして説明
- 6月16日:本人公式サイトで謝罪文を掲載
- 6月16日:立憲民主党幹事長から厳重注意
- 同日:参議院文教科学委員会の筆頭理事を解任
- 9月17日:本人があらためて自衛官や家族、関係者へ謝罪
古賀千景本人は「不適切な例示だった」と謝罪
古賀氏は翌6月16日、本人公式サイトの謝罪文で、問題意識そのものは冊子の内容と公費による配布の妥当性にあったとしたうえで、表現について非を認めました。
「今回のご指摘を真摯に受け止め、今後は発言に細心の注意を払い、信頼回復に努めてまいります。」
出典:古賀千景公式サイト「決算委員会での発言に関するお詫び」
当日の公式Xでも、発言について説明しています。
処分は「厳重注意」と文教科学委員会筆頭理事の解任
立憲民主党が6月17日に公表した処分内容は、幹事長による厳重注意と、参議院文教科学委員会の筆頭理事の任を解くことでした。
議員辞職、離党、除籍といった処分ではありません。古賀氏はその後も立憲民主党所属の参議院議員を続けています。参議院の2026年9月29日現在の議員情報でも、文教科学委員会・決算委員会・災害対策及び東日本大震災復興特別委員会の委員として掲載されています。
発言をめぐってはSNSなどでも批判や抗議が広がりましたが、党や本人が公表した資料には「苦情が何件届いた」といった公式集計は示されていません。
9月には「差別的な考えは決してない」と再び説明
古賀氏は約3か月後の2026年9月17日にも、「これからの活動にむけて」と題した文章を公開しました。
「差別的な考えは決してございません。」
出典:古賀千景公式サイト「これからの活動にむけて」
この文章では、教員時代に自衛官の道を選んだ教え子を送り出した経験にも触れ、自衛官という職業への敬意を欠く言葉を選んだことは自分の誤りだったとしています。
古賀千景は現在どんな政治家?プロフィールと役職
古賀千景氏を一言で表すなら、学校現場と教職員の労働問題を長く経験し、その分野を国会で扱っている教育政策系の参議院議員です。
2022年の参院選で初当選した1期目の議員で、選出区分は福岡県選挙区ではなく全国の比例代表です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 古賀千景(こが ちかげ) |
| 生年月日 | 1966年11月25日 |
| 年齢 | 59歳(2026年10月6日時点) |
| 出身地 | 福岡県久留米市 |
| 所属政党 | 立憲民主党 |
| 議員種別 | 参議院議員 |
| 選出 | 比例代表(全国比例) |
| 当選回数 | 1回 |
| 初当選 | 2022年 |
| 任期満了 | 2028年7月25日 |
| 党役職 | 立憲民主党 文部科学部会長 |
| 所属委員会 | 文教科学委員会、決算委員会、災害対策及び東日本大震災復興特別委員会 |
| 前職 | 公立小中学校教員、日本教職員組合特別中央執行委員など |
| 学歴 | 熊本大学教育学部卒業 |
| 議員会館 | 参議院議員会館409号室 |
| 公式サイト | 古賀千景公式サイト |
| 公式X | @kogachikage |
基本情報は参議院公式プロフィールと立憲民主党公式プロフィールで確認できます。
参議院、立憲民主党ともに生年月日は1966年11月25日としています。したがって2026年10月6日時点では59歳です。「1964年生まれ」「年齢をサバ読みしている」と判断できる公的根拠はありません。
公式Xでは、国会見学に来た小学生とのやり取りなど、元教員らしい教育現場に近い話題も発信しています。2026年6月には、全国学力・学習状況調査について自身の見解を投稿しました。
古賀千景の経歴・学歴|教員から日教組を経て国会へ
古賀氏は福岡県久留米市で生まれ、高校卒業まで久留米で過ごしました。久留米市立屏水中学校、福岡県立久留米高等学校を経て、熊本大学教育学部へ進学しています。
本人公式プロフィールでは、大学では教育学部音楽科を卒業したことも公表されています。
| 時期 | 主な経歴 |
|---|---|
| 1966年 | 福岡県久留米市生まれ |
| 1989年3月 | 熊本大学教育学部卒業 |
| 1989年4月~ | 福岡県内の公立小・中学校で臨時講師 |
| 2003年 | 福岡県教職員組合講師連絡会メンバー・結成準備世話人 |
| 2009年 | 福岡県教職員組合臨時採用教職員部長 |
| 2011年 | 福岡県内公立小学校教諭 |
| 2012年 | 福岡県教職員組合朝倉支部執行委員 |
| 2018年 | 日本教職員組合専門委員 |
| 2020年 | 日本教職員組合特別中央執行委員 |
| 2021年 | 立憲民主党参議院比例第16総支部長 |
| 2022年 | 第26回参議院議員通常選挙で初当選 |
教員約30年のうち約20年は臨時採用だった
古賀氏の政治活動を理解するうえで重要なのが、教員生活の長さだけでなく、長期間にわたり臨時採用教職員として働いた経験です。
「三十年間、学校教員として働いてきました。そのうち二十年が臨時採用教職員で、非正規という立場で働いてきたところです。」
出典:国会会議録・参議院予算委員会公聴会(2023年3月9日)
その経験は、現在も古賀氏が教員不足、臨時採用教職員の待遇、長時間労働、教職員定数などを重点的に取り上げる背景になっています。
日教組とはどんな関係?現在も日教組役員なのか
古賀氏と日教組の関係は明確です。福岡県教職員組合で臨時採用教職員の組織化に関わり、2018年に日本教職員組合専門委員、2020年に日本教職員組合特別中央執行委員を務めました。
ただし、現在の肩書きは日教組の現職役員ではなく、立憲民主党所属の参議院議員です。参議院や党の公式プロフィールでは、日教組の役職はこれまでの経歴として掲載されています。
2022年の当選後も日教組とのつながりは続いており、日本教職員組合は古賀氏を「日政連議員」として紹介しています。教職員団体との交流の様子も本人Xで発信されています。
古賀千景の夫や子供は?家族情報は公表されている?
古賀千景氏については「夫」「旦那」「子供」といった家族情報も注目されていますが、本人や公的機関が公表しているプロフィールには、配偶者や子供についての記載がありません。
- 結婚しているか:公式には公表されていない
- 夫の氏名・職業:公表情報なし
- 「夫も教師・日教組関係者」という情報:裏付けられる一次情報なし
- 子供の有無・人数:公式には公表されていない
「夫も日教組関係者」「子供が3人いる」といった情報を事実として断定できる根拠は確認されていません。
SNSには「古賀千景」という同姓同名のアカウントも存在するため、家族写真などを政治家本人のものと結び付ける際には注意が必要です。政治家・古賀千景氏が公式SNSとして案内しているXは@kogachikageです。
参議院公式プロフィール、立憲民主党プロフィール、本人プロフィールのいずれにも、夫や子供についての記載はありません。公表されていないことと「独身である」「子供がいない」ことは別なので、そこまで断定することもできません。
古賀千景の選挙区は?2022年参院選で14万4344票
古賀氏は福岡県出身ですが、福岡県選挙区の議員ではありません。2022年の第26回参議院議員通常選挙で、立憲民主党から全国比例に立候補しました。
| 選挙 | 結果 |
|---|---|
| 選挙 | 第26回参議院議員通常選挙 |
| 投票日 | 2022年7月10日 |
| 選出区分 | 比例代表 |
| 政党 | 立憲民主党 |
| 個人得票 | 144,344票 |
| 結果 | 初当選 |
| 現在の当選回数 | 1回 |
2022年参院選の比例代表結果では、立憲民主党は比例で7議席を獲得し、古賀氏の14万4344票は同党比例候補の中で3番目の個人得票でした。
当選直後の日教組全国代表者会議では、初めて国会議員バッジを着けた際の心境を次のように語っています。
「初めてつける議員バッチの重さに、組合員のみなさん、全国のみなさんからの期待の大きさを強く感じています。」
出典:日本教職員組合「全国代表者会議であいさつ」
参議院の任期満了日は2028年7月25日とされており、2026年10月時点では任期の途中です。
古賀千景の政策と国会で取り組んできたこと
本人公式サイトの政策ページでは、大きく「子ども」「くらし」「平和」の3分野を掲げています。
- 子ども:子ども・学校・家庭への支援、教育環境の改善
- くらし:雇用の安定、労働条件改善、社会保障の充実
- 平和:平和・人権・民主主義、子どもの権利を重視する社会
中でも国会活動で継続して扱っているのは、教員の働き方改革、教員不足、少人数学級、臨時採用教職員の処遇です。
給特法と教員の長時間労働を繰り返し追及
公立学校教員の給与や時間外勤務に関わる「給特法」は、古賀氏が国会入り後に繰り返し取り上げているテーマです。
2023年3月の文教科学委員会では、時間外労働と教員不足の問題を取り上げ、制度そのものの見直しを強く求めました。
「私は、この問題は給特法を廃止にしていかないといけないという方向で考えています。」
出典:国会会議録・参議院文教科学委員会(2023年3月17日)
2025年には給特法改正案の審議にも参加し、教職員定数、時間外在校等時間の縮減、臨時採用教職員の処遇などを質問しました。最終的には改正案への賛成討論を行いましたが、本人の活動報告では、改正だけで学校の働き方改革が解決するわけではなく、スタートラインに立った段階だという認識を示しています。
教員不足・35人学級・不登校支援も国会で質問
2026年には、文教科学委員会で教員の欠員、臨時免許状、35人学級に伴う教室不足、養護教諭、担任手当などを取り上げました。
決算委員会では不登校の子どもへの支援制度やICTを利用した出席の扱い、教員不足などについて質問。5月29日の参議院本会議では、デジタル教科書を正式な教科書として位置付ける法案について会派を代表して質問しています。
公式Xでも、学校現場の人員不足や教育条件について継続して発信しています。
防災教育と被災地の学校支援
教育政策以外では、災害対策及び東日本大震災復興特別委員会にも所属しています。2026年6月12日には、防災庁設置法案の審議で防災教育や、被災地の学校を支援するD-ESTについて質問しました。
本人のXでは、教職員不足の中で被災地派遣をどのように支えるかという課題も紹介しています。
教育以外の社会課題についても発信
古賀氏の公式Xでは、学校政策だけでなく、健康や暮らしに関わる情報提供のあり方などについても発信しています。2024年の投稿の一例がこちらです。
2026年秋の時点でも、立憲民主党の議員情報では文部科学部会長として掲載されています。自衛隊をめぐる発言で文教科学委員会の筆頭理事職は解かれましたが、参議院議員としては任期を続け、教育・学校現場を中心とした政策活動を継続しています。

