國重徹(くにしげ・とおる)氏は、弁護士・税理士としての経歴を持つ公明党の衆議院議員です。大阪5区で4回当選した後、2024年衆院選では落選しましたが、2026年2月の衆院選で近畿比例から国政へ復帰し、5期目に入りました。
2026年には中道改革連合から衆院選に出馬しましたが、9月に同党を離党し、公明党へ復党しています。現在の所属政党と衆議院の会派名が異なるため、この点を含めて選挙歴、弁護士時代、国会で扱ってきた法律・制度、憲法や再審制度への考え方まで順に見ていきます。
- 1974年11月23日生まれ、大阪市出身
- 創価大学法学部卒業
- 弁護士・税理士・防災士
- 2012年に大阪5区で衆議院議員へ初当選
- 2018年に総務大臣政務官を務める
- 2024年衆院選で落選し、2026年に近畿比例で国政復帰
- 2026年10月時点で衆議院議員5期、公明党所属
- 衆議院憲法審査会野党筆頭幹事、法務委員会委員
| 名前 | 國重 徹(くにしげ とおる) |
|---|---|
| 生年月日 | 1974年11月23日 |
| 年齢 | 51歳(2026年10月1日時点) |
| 出身地 | 大阪市 |
| 所属政党 | 公明党 |
| 衆議院会派 | 中道 |
| 選出 | 比例代表・近畿ブロック |
| 当選回数 | 5回 |
| 初当選 | 2012年・大阪5区 |
| 学歴 | 創価大学法学部卒業 |
| 資格・職歴 | 弁護士、税理士、防災士 |
| 主な役職歴 | 総務大臣政務官など |
| 公式サイト | 国重とおる公式ウェブサイト |
| 公式X | @ToruKunishige |
プロフィールの基本情報は、衆議院の議員プロフィールと本人公式プロフィールによります。
國重徹の現在|公明党に復党、衆院会派は「中道」
2026年10月1日時点で、國重徹氏の所属政党は公明党です。 一方、衆議院の議員情報では会派が「中道」と記載されています。
これは「政党」と「国会内の会派」が別の組織だからです。政党は公明党、衆議院で活動する会派は「中道」と整理すると現在の立場が分かりやすくなります。
- 2月8日:中道改革連合から近畿比例に出馬し当選
- 9月16日:中道改革連合を離党
- 9月24日:公明党が國重氏を含む衆院議員28人の復党を承認
- 同日、公明党議員らが参加する衆院統一会派「中道」を結成
公明党は9月24日、中道改革連合を離党していた公明党出身の衆院議員28人全員について復党を承認しました。統一会派「中道」には、公明党から石井啓一副議長を除く27人が参加しています。詳しい経緯は公明党の復党発表と統一会派「中道」の結成発表で公表されています。
中道改革連合を離党した際には、本人も公式Xで自身の判断について発信しました。
衆議院では、憲法審査会野党筆頭幹事と法務委員会委員を務めています。衆議院の2026年9月24日現在のプロフィールには、公明党青年委員会委員長であることも掲載されています。
選挙区はどこ?大阪5区4期から近畿比例で5期目へ
國重氏は長く大阪5区を地盤としてきました。大阪5区は大阪市の東淀川区、淀川区、西淀川区、此花区を中心とする選挙区で、2012年から2021年まで4回連続で当選しています。
2024年の第50回衆院選では日本維新の会の梅村聡氏に敗れ、国会議員の議席を失いました。2026年の第51回衆院選では小選挙区ではなく、中道改革連合の近畿比例名簿5位で立候補。党が近畿ブロックで5議席を獲得したため、國重氏も5人目として当選しました。
| 衆院選 | 選挙区・比例 | 結果 | 得票など |
|---|---|---|---|
| 2012年 | 大阪5区 | 当選・1期目 | 111,028票 |
| 2014年 | 大阪5区 | 当選・2期目 | 92,681票 |
| 2017年 | 大阪5区 | 当選・3期目 | 91,514票 |
| 2021年 | 大阪5区 | 当選・4期目 | 106,508票 |
| 2024年 | 大阪5区 | 落選 | 65,872票 |
| 2026年 | 近畿比例 | 当選・5期目 | 中道改革連合・名簿5位 |
過去の得票は、2012年・2014年・2017年の大阪5区選挙データ、2021年と2024年の各衆院選結果を基に整理しています。2026年は中道改革連合の比例名簿で5位に登載され、近畿ブロックで同党が5議席を獲得しました。
現在は「大阪5区選出」ではなく「比例近畿選出」の衆議院議員です。ただし、東淀川区在住で、従来の大阪5区地域での活動も続けています。
弁護士から政治家へ|学歴・前職・経歴
國重氏は大阪市で生まれ、創価大学法学部を1997年に卒業しました。2002年に司法試験へ合格し、司法修習を経て2004年に大阪弁護士会へ登録。2012年には税理士登録もしています。
本人公式ヒストリーによると、3人きょうだいの長男として製麺業を営む父を手伝い、小学生の高学年から高校まで剣道に取り組みました。司法試験への挑戦中には妹の死や両親の病気が重なった時期もあったと記しています。
弁護士になってからは、刑事事件、名誉毀損、労使紛争、企業再生、DV・離婚などを担当したほか、大阪弁護士会の子どもの権利委員会にも所属しました。公式ヒストリーでは、法律を使って目の前の依頼者を支えるだけでなく、法律そのものをつくる立場から社会の課題に取り組みたいと考えたことを政界入りの理由として説明しています。
| 1997年 | 創価大学法学部卒業 |
|---|---|
| 2002年 | 司法試験合格 |
| 2004年 | 弁護士登録 |
| 2012年 | 税理士登録、衆議院議員初当選 |
| 2018年 | 第4次安倍改造内閣で総務大臣政務官 |
| 2019年 | 防災士資格取得 |
| 2024年 | 衆院選で落選 |
| 2026年 | 近畿比例で衆議院議員へ復帰 |
総務大臣政務官への就任は首相官邸の第4次安倍改造内閣プロフィールにも記録されています。
2026年の国政復帰後は法務委員会だけでなく憲法審査会でも活動しています。4月23日の緊急事態条項に関する発言について、5月3日に本人がXで映像を紹介しました。
家族は妻と一男一女|趣味は将棋とボクシング観戦
本人公式プロフィールで公表されている家族構成は、妻と一男一女です。配偶者や子どもの氏名、勤務先などについては公式プロフィールでは掲載されていません。
- 家族:妻、一男一女
- 身長:177cm
- 血液型:B型
- 趣味:ボクシング観戦、将棋
- 特技:剣道二段
- 好きな作家:吉川英治、宮本輝
少年時代から続けた剣道では、市の大会で個人戦優勝を経験したと本人公式サイトに記されています。弁護士、税理士、防災士という複数の資格を持っていることも、國重氏のプロフィールで目立つ点です。
國重徹が関わってきた主な政策・制度
國重氏の国会活動では、法律家としての経験と総務分野の役職を背景に、インターネット上の誹謗中傷、情報通信、障がい者の通信環境、人権・司法制度を扱う場面が多くあります。
ネット上の誹謗中傷と発信者情報開示
2020年、公明党は「インターネット上の誹謗中傷・人権侵害等の対策検討プロジェクトチーム」を設置し、國重氏が座長を務めました。被害者救済を進める一方で、表現の自由や通信の秘密とのバランスも論点として検討しています。
その後、2021年には投稿者を特定する発信者情報開示手続きを簡略化するプロバイダ責任制限法改正案が衆議院総務委員会で審議され、國重氏も質問に立ちました。従来は一般に2回必要だった裁判手続きを、新たな裁判手続によって迅速化する内容です。経緯は2020年の党PT発足と2021年の法案審議で確認できます。
電話リレーサービスの制度化
聴覚や発話に困難のある人と電話の相手を、手話や文字と音声を通訳するオペレーターがつなぐ「電話リレーサービス」についても国会で取り上げました。
2020年5月の衆議院総務委員会では、サービスの24時間化と110番・119番などの緊急通報への対応について質問しています。
「いついかなるときも命が救われるような仕組みが整うことは大きな前進」
出典:国会会議録・衆議院総務委員会
同年6月には電話リレーサービスを公的制度とする法律が成立し、現在は法律に基づく公共インフラとして提供されています。制度化そのものは政府、国会、関係団体など多くの関係者によって進められたもので、國重氏は総務委員会で制度設計を取り上げた議員の一人です。
若者の声を政策につなぐ活動
國重氏は2022年に公明党青年委員長へ就任しました。政策アンケート「VOICE ACTION」や、若者と議員が直接意見交換するユーストークミーティングを通じ、子育て、教育、雇用、奨学金などの声を集める活動を続けています。
「若者と共に日本の未来を切り拓く存在でありたい」
出典:公明党青年委員会・国重徹新青年委員長インタビュー
大阪5区で続けてきた地域課題への関与
國重氏は2026年から比例近畿選出となりましたが、4期を務めた大阪5区では、都市整備と防災を中心に国との調整に関わってきました。
- 新大阪駅周辺:都市再生緊急整備地域への指定に向け、国の基本方針への位置付けを働き掛け
- 東淀川区・淡路駅周辺:阪急京都線・千里線の高架化と17カ所の踏切解消に向けた事業を後押し
- 西淀川区・佃地域:堤防の耐震化について地元議員と国へ要望
- 阪神なんば線淀川橋梁:架け替え事業について国へ要望
- 此花区:国道43号の高架歩道を津波時の緊急避難場所として活用する取り組みに関与
これらは一人の政治家だけで完成した事業ではなく、国、大阪府・大阪市、鉄道事業者、地元議員などが関わる公共事業です。その中で國重氏自身は、国土交通省などへの要望や国政との調整を行った経緯を本人公式サイトの大阪5区まちづくり報告で紹介しています。
此花区では、国道43号の安治川大橋・正蓮寺川橋の歩道部分を緊急避難場所として活用し、本人公式サイトでは約1,800人分の避難場所を確保したと説明しています。西淀川区では佃地域の堤防耐震化や、阪神なんば線淀川橋梁の架け替え事業も扱っています。
大阪での活動は「まちづくり」と「防災・減災」が大きな柱になっています。
2026年の国会活動|再審法と憲法審査が大きなテーマ
国政へ復帰した2026年は、弁護士出身という経歴と直接つながる再審制度の見直しと、野党筆頭幹事を務める衆議院憲法審査会での活動が目立っています。
再審法改正では「証拠開示」を追及
再審は、確定した有罪判決に重大な疑いが生じた場合などに裁判をやり直す制度です。國重氏は2026年5月から6月にかけて法務委員会で繰り返し質問に立ち、特に弁護側がどのような証拠が存在するのか把握するための「証拠の一覧表」を重視しました。
6月2日には、その日の質問で証拠開示を中心に扱うことを公式Xでも紹介しています。
6月9日には、再審無罪となった袴田巌さんの姉・ひで子さんが国会で意見を述べたことを受け、翌日の質疑に臨む考えを発信しました。
翌10日の法務委員会では、再審請求審でも証拠の一覧表や送致書類等目録を弁護人が確認できる仕組みを求めました。
「人間として血の通った法律に仕上げる使命と役割を担っているのは、我々政治家です。」
出典:本人公式サイト・2026年6月10日衆議院法務委員会
同日の質疑映像についても、本人公式Xで紹介しています。
憲法9条・緊急事態条項にはどういう立場?
國重氏は2026年、衆議院憲法審査会の野党筆頭幹事として、憲法9条、緊急事態時の国会機能、国民投票法、参議院の緊急集会などを議論しています。
憲法9条については、1項・2項を維持しながら現実の安全保障環境に対応する立場を示し、自衛隊の憲法明記については次のように述べています。
「自衛隊違憲論の解消だけを目的とした憲法改正は不要だ」
出典:公明新聞・2026年6月19日
緊急事態時の国会議員任期については、まず選挙を可能な限り実施し、繰延投票や参議院の緊急集会を活用することを前提に、それでも制度的な空白が残る場合の「補充条項」として議員任期特例を検討する考えを示しています。濫用を防ぐため、発動要件を憲法・法律で厳格に定める必要性も主張しています。
5月21日の憲法審査会では、この緊急事態条項について自身の考えを詳しく述べ、発言全文をXでも公開しました。
7月16日の憲法審査会では、立憲主義を土台に、憲法改正そのものを目的にするのではなく、社会の変化によって改正が必要と判断される課題について検討し、その判断基準を「国民の権利と民主主義をより確かに守れるか」に置く姿勢を示しています。発言全文は本人公式サイトの憲法審査会記録で公開されています。
2024年の落選を経て国政へ戻った2026年は、再審制度などの司法分野と、憲法審査会での制度設計の議論が國重氏の国会活動の中心となっています。

