テレビや舞台で長く活動し、アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』では両津勘吉の声を務めたラサール石井氏。2025年には芸能界から国政へ舞台を移し、社民党から参議院議員に初当選しました。
「なぜ社民党なのか」「選挙区はどこなのか」「どうして当選できたのか」といった政治家としての疑問だけでなく、妻や国籍、学歴、早稲田大学の除籍、若い頃から現在までを、公表資料や本人の言葉とともに見ていきます。
芸能活動で培った発信力を国政へ持ち込み、暮らし・平和・人権を軸に活動する社民党の参議院議員です。2026年には党首選にも出馬し、現在は党運営の中心となる幹事長を務めています。
ラサール石井のプロフィール|本名・年齢・現在の役職
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 芸名 | ラサール石井 |
| 本名 | 石井朗夫(いしい あきお) |
| 生年月日 | 1955年10月19日 |
| 年齢 | 70歳(2026年9月14日時点) |
| 出身地 | 大阪府大阪市 |
| 所属政党・会派 | 社会民主党(社民党) |
| 議員 | 参議院議員 |
| 選出 | 比例代表(全国比例) |
| 当選回数 | 1回 |
| 初当選 | 2025年 |
| 党役職 | 社民党幹事長 |
| 参議院での所属 | 財政金融委員会/消費者問題に関する特別委員会/資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会 |
| 学歴 | 鹿児島ラ・サール学園高等学校卒業/早稲田大学第一文学部除籍 |
| 主な芸能活動 | コント赤信号、俳優、声優、司会、演出家など |
| 公式サイト | ラサール石井公式サイト |
| 公式SNS | 本人X/ラサール石井事務所スタッフX |
参議院の公式議員プロフィールでは、本名や経歴とともに、2026年9月13日現在の所属委員会も公表されています。
ラサール石井の現在は社民党幹事長|副党首から党運営の中心へ
ラサール石井氏は現在、参議院議員として国会に所属すると同時に、社民党の幹事長を務めています。
国政入り直後の2025年には副党首となりましたが、2026年3月には13年ぶりの選挙戦となった社民党党首選へ自ら立候補しました。候補は大椿ゆうこ氏、ラサール石井氏、福島みずほ氏の3人でした。
第1回投票では福島氏が1,876票、大椿氏が1,297票、石井氏が967票。過半数を得た候補がいなかったため上位2人による決選投票となり、3位の石井氏はここで敗退しました。その後、決選投票で福島氏が再選されています。
そして2026年4月29日の党大会で、石井氏は副党首から幹事長へ。党の国会対策や選挙対策にも関わる立場となりました。
党首選への立候補を発表した際には、事務所の公式Xでも政治姿勢や党改革について発信しています。
2026年9月5日には滋賀県で党の集会に参加し、社民党の再構築を意味する「Reboot」について説明するなど、国会活動と並行して地方組織の立て直しにも動いています。
2025年参院選はなぜ当選?選挙区・得票数と比例代表の仕組み
ラサール石井氏が初めて国政選挙へ立候補したのは、2025年7月の参議院選挙です。
- 政党:社会民主党
- 選挙:第27回参議院議員通常選挙
- 選挙区:比例代表(全国比例)
- ラサール石井氏の個人票:207,143.086票
- 社民党の比例得票:1,217,823.169票
- 社民党の得票率:約2.06%
- 社民党の獲得議席:1議席
ここで間違えやすいのが「選挙区」です。東京都や大阪府など特定地域の選挙区から出たのではなく、全国を一つの区域とする比例代表で立候補しました。
参院選の比例代表では、まず政党ごとの総得票に応じて議席数が配分され、その党が得た議席を候補者個人の得票順などに従って決めます。
| 社民党比例候補 | 個人得票 |
|---|---|
| ラサール石井 | 207,143.086票 |
| 大椿ゆうこ | 59,279.083票 |
| 山城ひろじ | 35,779票 |
| かい正康 | 11,339票 |
| 花岡しげる | 5,659票 |
社民党に配分されたのは1議席で、候補者の中で最多の20万7,143票余りを得たラサール石井氏が当選しました。知名度だけを理由に「自動的に当選した」という仕組みではなく、社民党が1議席を確保し、そのうえで候補者個人票が党内1位だったことが当選につながっています。
社民党自身も選挙結果について、比例票1,217,823票、得票率2.06%で1議席を得たと発表しています。比例代表の仕組みについては参議院の選挙制度説明でも確認できます。
ラサール石井はなぜ社民党から出馬したのか
長年芸能界で活動してきたラサール石井氏が国政選挙へ進んだ背景には、以前から続けていた政治・社会問題への発信と、社民党側からの出馬要請がありました。
2025年6月30日の出馬会見では、福島みずほ氏が進めていた党の立て直しに関心を持ったことを説明し、社民党について次のように語っています。
「今、社民党はなくなってはいけない」
出典:ORICON NEWS・参院選出馬会見
社民党の機関紙でも、石井氏は福島氏の党再生への取り組みにひかれたと説明しています。芸能人が政治について発言することへの批判を受けながらも、SNSなどで政治的な意見を発信してきました。
出馬時の公式サイトで前面に掲げた言葉は、より端的です。
「あきらめるのは、やめました。黙って見ているのも、やめました」
出典:ラサール石井公式サイト
2025年が突然の「政治への関心の始まり」だったわけではなく、発信する側から立候補する側へ踏み込んだのが参院選だった、という流れです。
ラサール石井の政策と国会でやったこと|暮らし・防衛・人権を重視
政治家として見る場合は、選挙時に掲げた「政策」と、当選後に国会で実際に行った「活動」を分けて見ると整理しやすくなります。
物価高対策や社会保障では家計負担の軽減を掲げる
2025年の選挙では、物価高や家計負担への対策として、社会保険料負担の軽減、最低賃金の全国一律1,500円以上、食料品の消費税率ゼロなどを掲げました。
- 社会保険料の負担軽減
- 最低賃金を全国一律1,500円以上へ
- 食料品の消費税率をゼロへ
- 大企業・富裕層を含む税負担のあり方を見直す
- 教育や社会保障への公的支出を拡充する
参議院では財政金融委員会に所属し、税制、国債、金融政策などを質問しています。最低賃金の全国一律制度を求める請願の紹介議員にもなっています。
防衛費拡大には反対し、暮らしや災害対策への配分を主張
安全保障では、政府による防衛費増額や武器購入に批判的です。2026年3月24日の財政金融委員会では、防衛費を借金に依存して拡大することへの懸念を示しました。
「軍事国債の発行というかつての過ちを繰り返しかねない財政は行うべきではない」
出典:国会会議録・参議院財政金融委員会
国会外でも防衛政策に関する行政の説明を取り上げています。2025年8月には、政府が学校などへ配布している防衛関連冊子をめぐり、防衛省・文部科学省への申し入れに参加したことを事務所Xで発信しました。
選択的夫婦別姓・同性婚・差別対策
人権政策では、選択的夫婦別姓の導入、同性婚の法制化、性別や国籍などを理由とした差別への対策を掲げています。
2026年5月26日の国会では、結婚に伴う改姓によって仕事上の実績や本人確認に不都合が生じる問題を取り上げました。
「選択的夫婦別姓を認めれば即座に解決すると思われます」
出典:国会会議録・参議院財政金融委員会
同日の質疑ではオンラインギャンブルを含むギャンブル依存症対策も取り上げ、依存症を本人の意思だけの問題として扱わず、相談や金融面からの対策を求めています。
原発ゼロと再生可能エネルギーへの転換
エネルギー政策では原発依存からの脱却を掲げ、再生可能エネルギーを中心とした電力構成への転換を主張しています。現在、参議院では「資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会」にも所属しています。
選挙時の政策は本人公式サイトにまとめられています。
ラサール石井は「左翼」?政治思想は具体的な政策から見る
ラサール石井氏について「左翼」という言葉で語られることがありますが、一語の政治ラベルだけでは立場がかなり粗くなります。
- 憲法9条を重視し、防衛費や軍備の急拡大に反対
- 家計負担を減らす再分配・社会保障政策を重視
- 選択的夫婦別姓や同性婚の法制化を支持
- 外国人や民族的少数者への差別に反対
- 原発依存から再生可能エネルギーへの転換を主張
こうした政策は社民党の政策との共通点が多く、石井氏自身も党の平和・福祉・人権を重視する路線に沿って国会活動を行っています。
朝鮮学校の教育支援をめぐる立場
外国人や民族教育をめぐっては、朝鮮学校を高校授業料の支援制度などから除外することに反対する立場です。2025年には大阪朝鮮中高級学校の行事に参加し、民族教育への支援について事務所Xで発信しました。
選挙期間中にも、外国にルーツを持つ住民と接した経験を本人Xで取り上げています。
関東大震災時に殺害された朝鮮人犠牲者の追悼にも参加しており、2025年9月には横網町公園での追悼行事について事務所が投稿しています。
こうした活動への賛否と、石井氏本人や家族の国籍は別の問題です。政治的な主張や外国人政策だけを根拠に国籍を推測することはできません。
ラサール石井の国籍は日本|外国籍という情報に根拠はある?
結論から言えば、ラサール石井氏は日本国籍を有する参議院議員です。
参議院議員の被選挙権については、公職選挙法および参議院の選挙制度説明で、日本国民で満30歳以上であることが要件とされています。石井氏は2025年の参院選で適法に立候補・当選し、現在も参議院議員を務めています。
また、参議院公式プロフィールでは大阪市生まれとされています。
本人:日本国籍。
現在の妻:本人発言や主要報道で国籍は公表されていません。
政治的主張:外国人支援や民族教育への立場は、本人や妻の国籍を示す根拠にはなりません。
妻は32歳年下の一般女性|前妻・娘など家族について
ラサール石井氏は2012年、32歳年下の一般女性と再婚しました。
ORICON NEWSの当時の取材によると、妻は結婚時24歳で薬学を学ぶ学生でした。2011年9月に出会い、約4か月後の2012年1月11日に婚姻届を提出しています。
芸能人ではなく一般女性であるため、氏名や国籍など公表されていないプロフィールをネット上の情報だけで断定することはできません。
再婚から10年以上たった2023年のインタビューでも、石井氏は妻について話しており、夫婦関係が続いていることが報じられています。2025年の参院選出馬会見でも、妻から「違ったところも見てみたい」という趣旨で背中を押されたことを明かしました。
前妻とは2011年に離婚、娘が2人
現在の妻との結婚は再婚です。石井氏は前妻と約32年間の結婚生活を送りましたが、長期間の別居を経て2011年に離婚しました。
2012年の再婚時の報道では、前妻との間に娘が2人いることも伝えられています。娘たちの現在の職業や生活については、政治活動と直接関係のない私生活でもあり、公表情報は限られています。
学歴はラ・サール高校卒|早稲田大学は「中退」ではなく除籍
芸名の「ラサール」は、卒業した鹿児島ラ・サール学園高等学校に由来します。
| 時期 | 学歴・経歴 |
|---|---|
| 1955年 | 大阪市に生まれる |
| 高校 | 鹿児島ラ・サール学園高等学校を卒業 |
| 1974年ごろ | 早稲田大学第一文学部へ進学 |
| 大学 | 早稲田大学第一文学部を除籍 |
| 1970年代後半 | 演劇・放送作家などの活動を経て「コント赤信号」へ |
本人は2025年の参院選期間中、自身の最終学歴について次のように説明しました。
「私はラサール高卒。高卒が本当です」
出典:スポニチアネックス・2025年参院選取材
本人は早稲田大学に4年間通ったものの「除籍」になったとしており、参議院公式プロフィールでも「早稲田大学第一文学部除籍」と明記されています。
公式経歴は「早稲田大学中退」ではなく「除籍」です。一方、今回確認した本人プロフィールや公的資料では、除籍に至った大学内部の具体的な理由までは示されていません。
若い頃は「コント赤信号」|こち亀の両津役から演出家まで
政治家になるまでのラサール石井氏は、半世紀近く芸能・演劇の世界で活動してきました。
若い頃に演劇の世界へ入り、渡辺正行氏、小宮孝泰氏と「コント赤信号」を結成。1980年代のテレビを中心に知名度を高め、司会、クイズ番組、俳優、脚本・演出など仕事の幅を広げていきます。
- お笑いトリオ「コント赤信号」のメンバー
- テレビ番組の司会・クイズ番組出演
- M-1グランプリ審査員
- アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』両津勘吉役
- 舞台・ドラマ・映画への出演
- 舞台の脚本・演出
「こち亀」の両津勘吉は1996年から担当
声優として最も知られる仕事が、テレビアニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主人公両津勘吉です。
1996年のアニメ放送開始から両津の声を担当しました。政治家として石井氏を知った世代とは別に、「こち亀の両さんの声の人」として記憶している人も少なくありません。
演出家として読売演劇大賞の優秀演出家賞
バラエティータレントだけではなく、舞台演出にも長く携わっています。ミュージカル『HEADS UP!』では、読売演劇大賞の優秀演出家賞を受賞しました。
「芸能人から突然政治家になった人」というだけではなく、コント、司会、声優、俳優、演出まで複数の立場を経験した後に国政入りしています。
浅田真央への投稿で炎上|過去の発言と本人の謝罪
ラサール石井氏の過去の発言で大きな批判を受けたものの一つが、2011年のフィギュアスケート・浅田真央さんに関するXの前身Twitterへの投稿です。
浅田さんの演技表現について性的な内容を含む発言を投稿したことで批判が集まり、石井氏は投稿を削除して謝罪しました。
「最悪の言葉で呟いてしまったことは事実」
出典:J-CASTニュース・2011年5月2日
同時に浅田さん本人やファンへ謝罪し、その後も取材の場で改めて謝罪しています。本人が投稿を撤回し、問題のある表現だったことを認めて謝罪した出来事です。
国会議員になった現在は過去の芸能活動時代とは立場が異なり、本人の発言が政策や党の立場と結び付けて受け止められる場面も増えています。
社民党「Reboot」で何を目指している?2026年の活動
2026年の党首選でラサール石井氏が掲げたキーワードが「社民党Reboot(再起動)」でした。
党首選では、党本部から一方的に方針を下ろすのではなく地方や若い世代の声を吸い上げる組織づくり、政治を学ぶ場の充実、地方議員を増やすことなどを提案しました。
党首選そのものには敗れましたが、4月に幹事長へ就任したことで、これらは党の運営に関わる立場から取り組むテーマになっています。
2026年9月5日の滋賀県での集会でも、石井氏は若い世代を党運営へ取り込むことや、党の活動を外から見えやすくすることを「Reboot」の課題として説明しました。社民党滋賀県連の2026年9月8日の活動報告では、物価高、防衛政策、災害対策などについて語ったことも紹介されています。
参議院では、2026年9月13日現在、財政金融委員会、消費者問題に関する特別委員会、資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会に所属しています。芸能活動で知られたラサール石井氏の現在の主な活動の場は、国会審議と社民党の党運営へ移っています。

