2026年9月、渡辺創氏は中道改革連合の代表に就き、党組織の整理を担う異例の立場になりました。
宮崎1区の衆議院議員として3期目を務める一方、元毎日新聞記者という経歴、父・祖父から受けた影響、高校時代の中退と再入学、2026年の生体腎移植など、名前だけでは見えにくい背景を持つ政治家です。
この記事では、渡辺創氏の現在の立場、経歴・学歴、家族、病気、選挙、政策、国会での仕事まで、本人・国会・自治体・政党の情報を中心にたどります。
渡辺創の現在|中道改革連合代表として1人で残る理由
- 所属政党:中道改革連合
- 党役職:代表
- 国会:衆議院議員・宮崎1区・3期
- 所属委員会:農林水産委員会、災害対策特別委員会
中道改革連合の公式プロフィールでは、渡辺創氏は2026年10月現在、同党の代表として掲載されています。衆議院では宮崎1区選出の3期目で、農林水産委員会と災害対策特別委員会に所属しています。
現在の立場が分かりにくいのは、中道改革連合が2026年9月に大きく形を変えたためです。
9月16日の議員総会では、それまで所属していた国会議員49人のうち48人が党を離れる手続きを進め、渡辺氏だけが党籍を残しました。同日、小川淳也氏の代表辞任を受けて渡辺氏が新代表に選ばれています。
渡辺氏が1人残った理由は、旧支部などの組織・会計・法務上の整理を担うためです。
中道改革連合の議員総会資料では、約190の総支部などについて、政治資金関係の報告や監査を含む整理が必要だと説明されています。弁護士や会計の専門家も加えた体制で作業を進め、その後の新たな政治勢力との連携を見据える方針です。
「しっかりとその職務と向き合ってまいりたい」
出典:中道改革連合・渡辺創代表会見
党の「分流」が決まった直後には、渡辺氏自身も公式Xで地元への説明や党務への対応について発信しました。
渡辺氏は以前、立憲民主党宮崎県連代表や党広報委員長などを務めていました。そのため古いプロフィールや記事には「立憲民主党・渡辺創」と記載されたものも残っていますが、2026年10月現在の所属政党は立憲民主党ではなく中道改革連合です。
なお、自民党所属ではないため、自民党政治で使われる意味での「派閥」「何派」という分類には当てはまりません。
渡辺創はどんな政治家?プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 渡辺 創 |
| 読み方 | わたなべ そう |
| 生年月日 | 1977年10月3日 |
| 年齢 | 49歳(2026年10月5日時点) |
| 出身地 | 宮崎県宮崎市 |
| 所属政党 | 中道改革連合 |
| 現在の党役職 | 代表 |
| 議員種別 | 衆議院議員 |
| 選挙区 | 宮崎1区 |
| 当選回数 | 3回 |
| 初当選 | 2021年衆議院議員選挙 |
| 学歴 | 新潟大学法学部卒業 |
| 前職 | 毎日新聞社記者、宮崎県議会議員 |
| 主な経歴 | 宮崎県議3期、宮崎県監査委員、立憲民主党広報委員長、中道改革連合組織委員長・役員室長など |
| 現在の国会委員会 | 農林水産委員会、災害対策特別委員会 |
| 公式サイト | 渡辺創公式サイト |
| 公式X | @MWatasou |
経歴を大きく分けると、新聞記者→宮崎県議→衆議院議員という流れです。中央政界だけでキャリアを積んできた政治家ではなく、報道の現場と地方議会の両方を経験してから国政へ進みました。
政治家の渡辺創氏に医師としての経歴はありません。
本人と政党の公式プロフィールでは、新潟大学法学部卒業後、毎日新聞社の記者になったことが示されています。医学分野には同姓同名の人物がいるため、別人の情報が混ざらないよう注意が必要です。
父・祖父・妻・子供|家族から見える政治の原点
渡辺創氏は宮崎市で育った一人っ子です。本人の公式サイト「渡辺創ができるまで」では、両親はいずれも1950年生まれと紹介されています。
父は土呂久公害の被害者支援に携わった
父親は都城工業高等専門学校に学び、事業を営んだ後、宮崎県高千穂町で起きた土呂久公害の被害者を支援する組織の事務局に携わりました。
渡辺氏の家族が土呂久の被害者だったわけではありません。父親が被害者の支援活動に関わり、自宅でも社会問題や政治について話題になる環境だったことを、本人が政治への関心の原点の一つとして振り返っています。
母方の祖父は国富町議・宮崎県議
母方の祖父・渡辺紀(はじめ)氏は、国富町議会議員を経て宮崎県議会議員を務めました。
渡辺創氏の「渡辺」という姓も母方につながるものです。ただ、祖父の議席をそのまま継いだ世襲という形ではなく、祖父の県議退任から時間が空き、渡辺氏自身は異なる選挙区から県議選へ挑戦しています。
祖父から伝えられた「人の苦しみや悲しさを自分のことのように背負えるか」という政治観は、本人が公式サイトで紹介している家族のエピソードの一つです。
妻とは大学時代からの付き合い、子供は娘と息子
妻は新潟大学時代の後輩で、渡辺氏が毎日新聞の横浜支局で働いていた時期に結婚しました。
子供は娘と息子の2人。長女は横浜勤務時代、長男は東京勤務時代に生まれたことを本人が公表しています。
- 妻は大学時代の後輩
- 娘1人、息子1人
- 家族は宮崎市で暮らしてきた
- 妻や子供の氏名など、詳細な個人情報は公表されていない
高校中退から新潟大学へ|学歴と毎日新聞記者時代
渡辺創氏の学歴で特徴的なのが、高校時代です。中学校卒業後は宮崎県立宮崎北高校へ進学しましたが、腰椎椎間板ヘルニアを患い、手術と入院生活を経験しました。
高校1年で宮崎北高校を中退。その後、1年ほどの期間を経て宮崎県立宮崎東高校の定時制昼間部へ入り直しています。
「人とは違うユニークな4年間の高校生活を送ったことに、今も誇りを持っています」
出典:渡辺創公式サイト「渡辺創の手引き」
| 時期 | 学歴・経歴 |
|---|---|
| 小学校 | 宮崎市立東大宮小学校 |
| 中学校 | 宮崎市立東大宮中学校 |
| 高校 | 宮崎県立宮崎北高校へ進学後、中退 |
| 高校再入学 | 宮崎県立宮崎東高校・定時制昼間部 |
| 大学 | 新潟大学法学部 |
| 2001年 | 毎日新聞社へ入社 |
大学卒業後は2001年に毎日新聞社へ入社。最初は横浜支局で約5年間勤務し、警察取材などを担当しました。
その後は東京本社政治部へ異動し、首相官邸、内閣府、自民党、民主党などを取材。2009年の政権交代期には、小沢一郎氏や藤井裕久氏らの取材にも長期間携わっています。
32歳で毎日新聞社を退社し、故郷・宮崎へ戻りました。
高校時代の腰椎椎間板ヘルニアと、2026年に公表した腎不全は別の病気です。 病歴を一つの出来事として混同しないよう注意が必要です。
2026年に生体腎移植|病気・手術と復帰まで
渡辺創氏は2026年6月、自身の公式noteで腎不全のため生体腎移植を受けたことを公表しました。
手術日は2026年5月1日。ドナーとなることを申し出たのは妻で、夫婦間での生体腎移植でした。
- 腎不全のため移植が必要になった
- 2026年5月1日に生体腎移植手術を受けた
- ドナーは妻
- 6月時点で国会活動へ復帰
- 8月には移植後3か月の検査目的で腎生検を受けた
公式発信で明らかにされている病名は「腎不全」までで、腎不全に至った原因疾患は公表されていません。 根拠のない病名を補うことはできません。
6月21日の本人のnoteによれば、記事公開時点ですでに国会復帰から20日ほどが経過しており、外来診療の間隔も徐々に長くなっていました。前日の6月20日には術後初めての県外出張にも出ています。
病院で他の患者と接した経験を通じ、渡辺氏は次のように記しています。
「私が見えていることがすべてではない。」
出典:渡辺創公式note「腎移植から50日」
8月には、移植後の状態を調べる腎生検を受けたこともXで公開しました。
8月13日の本人発信では、移植腎の状態について順調だと説明しています。
宮崎1区で3連勝|選挙結果と「なぜ強い」の背景
渡辺創氏の衆議院選挙区は宮崎1区です。現在の区域は、宮崎市と東諸県郡の国富町・綾町です。区域は宮崎県選挙管理委員会の選挙情報でも確認できます。
国政に進む前には2010年参院選宮崎選挙区へ民主党公認で立候補し、17万8854票を得ましたが次点。その翌年の2011年に宮崎県議へ初当選し、県議を3期務めました。
| 衆院選 | 所属 | 渡辺創氏の得票 | 主な対立候補 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 立憲民主党 | 60,719票 | 武井俊輔氏 59,649票 | 初当選・1,070票差 |
| 2024年 | 立憲民主党 | 79,605票 | 武井俊輔氏 49,310票 | 再選・30,295票差 |
| 2026年 | 中道改革連合 | 72,280票 | 武井俊輔氏 58,167票 | 3選・14,113票差 |
2021年はわずか1,070票差の接戦でした。ところが2024年は差を3万票以上へ広げ、2026年も党の看板が立憲民主党から中道改革連合へ変わった中で小選挙区を守りました。
2021年と2024年の数字は宮崎市選挙管理委員会の2021年開票結果、2024年開票結果に基づきます。2026年はMRT宮崎放送の開票結果で72,280票を獲得しています。
- 宮崎市生まれ・宮崎市育ち
- 国政進出前に宮崎県議を3期務めた
- 2021年から衆院小選挙区で3連勝
- 政党が変わった2026年も小選挙区で勝利
- 街角相談会や地域での国政報告など地元活動を継続
投票理由を一つに決めることはできませんが、県議時代から積み重ねてきた宮崎での活動歴と、国政選挙で繰り返し小選挙区を勝ち抜いてきた実績は、渡辺氏の選挙基盤を考えるうえで外せない要素です。
2026年衆院選の期間中も、本人のXでは個人演説会の日程などを発信していました。
渡辺創は何をした?国会での主な活動・実績
「やったこと」を見るときは、本人が掲げている政策と、国会で実際に行った質疑・法案審査・附帯決議などを分ける必要があります。
渡辺氏は農林水産分野を継続的に担当する一方、教育・子育て、地域経済、災害対策なども国会で取り上げています。
| 時期 | 主な国会活動 |
|---|---|
| 2022年11月 | 予算委員会で学校給食費の無償化などを政府に質問 |
| 2026年3月 | 農林水産委員会でJRA関連法案に対する附帯決議案の趣旨を説明。決議は全会一致で採択 |
| 2026年4月 | 農林中央金庫に関する法改正を農林水産委員会で質問 |
| 2026年6月 | 「地域計画」やミニマムアクセス米をめぐり農林水産委員会で質疑 |
学校給食無償化を予算委員会で提起
2022年11月の衆議院予算委員会では、義務教育段階の学校給食費について、自治体任せではなく国として無償化を進めるよう求めました。
「政治の決断一つでできる」
出典:立憲民主党・2022年11月29日予算委員会報告
この時点では政策提案であり、渡辺氏個人が学校給食無償化を実現したという意味ではありません。国会質疑を通じて政府へ判断を迫った活動として位置付けられます。
農林中央金庫、農業の「地域計画」を継続して質問
2026年4月には農林中央金庫に関係する法改正を農林水産委員会で取り上げました。本人は前年の予算委員会でも農林中金の巨額赤字問題を質問しており、Xで法改正の審議について告知しています。
6月の農林水産委員会では、地域の農地を誰がどのように担っていくかを定める「地域計画」について、計画を作成した後の政策との連動を問いました。
「地域計画は、土台であり羅針盤です」
出典:渡辺創公式note・衆議院農林水産委員会質疑録
同じ質疑では、米国との通商交渉に関連して、ミニマムアクセス米の扱いや国内の主食用米への影響についても政府の見解を求めました。
2026年3月には、JRA・地方競馬に関する法案審査で附帯決議案の趣旨説明者を務めています。衆議院農林水産委員会の資料では、附帯決議が全会一致で採択されたことが記録されています。
政策・公約|「人」への投資と農業を軸に何を目指すのか
渡辺創氏が自身の公式サイトで掲げている大きな考え方が、「人間中心の経済~ヒューマン・エコノミクス~」です。
- 教育・子育てなど「人の可能性」を広げる投資
- 地域の中で所得と消費を回す経済
- 国民所得の底上げ
- 社会保障・支え合う制度の拡充
- 個人が選択できる社会づくり
- 現実的な外交・安全保障
- 災害や危機に機能する政府
- 政治資金制度を含む民主主義の改革
経済政策では、企業や数字だけを出発点にするのではなく、教育、所得、社会保障などを通じて一人ひとりの能力や生活基盤を支えるという考え方を前面に出しています。
農業では食料安全保障と価格形成を重視
国会活動と特に結び付きが強いのが農政です。
- 食料安全保障の強化
- 生産コストを適切に反映する価格形成
- 農地の集約と地域計画の実効性向上
- スマート農業の活用
- 農地を維持するための支援制度
宮崎県は畜産・園芸を含む農業県です。渡辺氏の場合、農業政策は選挙時だけ掲げる項目ではなく、現在の衆議院農林水産委員としての質疑にも直結しています。
外交・安全保障は「現実的」な対応を掲げる
外交・安全保障については、憲法を踏まえながら現実的に対応することを政策の柱に置いています。災害や感染症などの危機で政府が機能する体制づくり、政治資金改革なども政策項目に含めています。
中道改革連合の整理をめぐる批判と論点
2026年秋の渡辺創氏をめぐる最大の論点は、国会議員が渡辺氏1人となった中道改革連合を残し、代表として党の整理を進めていることです。
党には政治資金や政党組織に関する法的・会計上の手続きが残っています。そのため、所属議員全員が同時に離党して直ちに組織をなくすのではなく、渡辺氏が残って作業を担う形が選ばれました。
一方、中道改革連合の議員総会での説明でも、国会議員1人に政党の権限や資金に関する責任が集中する形は、外部から見れば分かりにくく、説明責任やガバナンスが問われることが認識されています。
- なぜ渡辺氏だけが党に残る必要があるのか
- 党の資金・資産をどのようなルールで扱うのか
- 約190の総支部などをどう整理するのか
- 一人の代表に権限が集中しない仕組みをどう設けるのか
- 整理後、どの政治勢力へ参加するのか
党側は、弁護士や会計の専門家を活用し、旧総支部長や職員らを含む会議体を設けて処理する方針を示しています。
この党整理をめぐる議論と、渡辺氏本人に刑事事件などの「不祥事」があるという話は別です。 とくに同姓同名の別人に関する情報が混在しやすいため、人物を取り違えないことが重要です。
人物像|街角相談会や災害情報の発信を続ける
渡辺創氏は新聞記者時代、政治部だけでなく横浜支局で事件・事故の取材を経験しました。政治家になってからも、政策発信だけでなく対面で話を聞く活動を続けています。
その一つが、2024年5月から始めた「あおぞら街角相談会」です。街頭で一方的に演説するだけではなく、住民から相談や意見を直接聞く場として続け、2026年にも開催しています。
趣味として本人が挙げているのは、読書、旅行、スポーツ観戦です。
現在所属する災害対策特別委員会に関連する分野では、宮崎県内で大雨などの危険が高まった際、公式Xでも自治体の警戒情報を共有しています。
2026年10月現在、渡辺氏は宮崎1区の衆議院議員として農林水産・災害対策の国会活動を続けながら、中道改革連合代表として党組織の整理を担っています。 生体腎移植後も国会と地元での活動へ復帰しており、党の整理がどの段階まで進むのか、新たな政治体制の中でどの立場を選ぶのかが次の具体的な焦点となっています。

