井上英孝(いのうえ・ひでたか)氏は、大阪市議会議員から国政に転じた日本維新の会の衆議院議員です。大阪1区を地盤とし、党では選挙対策委員長を務めています。
長く政治活動を続ける一方、過去には会食をめぐる告訴や、政治資金の使い道について報じられたこともありました。
この記事では、事件・告訴報道の事実関係、現在の役職、選挙での当選歴、政策と実績、学歴や家族を、公式資料と報道をもとに整理します。
井上英孝氏はどんな政治家?現在の所属政党と役職
井上氏を一言で説明するなら、大阪の地方政治で経験を積み、国会では政治改革や国土交通分野などに携わってきた維新の政治家です。
2026年10月8日時点では、衆議院議員として6期目を務め、日本維新の会の常任役員・選挙対策委員長を兼任しています。
| 名前 | 井上英孝(いのうえ ひでたか) |
|---|---|
| 生年月日 | 1971年10月25日 |
| 年齢 | 54歳(2026年10月8日時点) |
| 出身地 | 大阪市港区 |
| 所属政党 | 日本維新の会 |
| 議員種別 | 衆議院議員 |
| 選挙区 | 大阪府第1区 |
| 衆議院当選回数 | 6回 |
| 国政初当選 | 2012年 |
| 前職 | 大阪市会議員(3期) |
| 党役職 | 常任役員・選挙対策委員長 |
| 現在の国会役職 | 政治改革に関する特別委員会委員長 |
| 主な過去の役職 | 衆議院法務委員会委員長 |
| 最終学歴 | 近畿大学商経学部卒業 |
| 公式サイト | 井上英孝公式ホームページ |
| 公式X | 井上英孝事務所 |
プロフィールの基礎情報は、日本維新の会の公式議員情報と本人公式プロフィールによります。
2026年10月に政治改革特別委員長へ就任
2026年10月5日に召集された第222回国会で、井上氏は衆議院「政治改革に関する特別委員会」の委員長に就任しました。
同委員会は、政治資金の透明性や選挙制度など、政治に対する信頼に関わる問題を議論する場です。委員長就任に際し、井上氏は次のように述べています。
「政治改革は、与野党の立場を超え、開かれた議論を通じて国民に納得いただける解を導き出さなければなりません。」
出典:井上英孝公式ホームページ・2026年10月5日の就任報告
2026年前半には法務委員長を務めていましたが、2026年10月時点の委員長職は政治改革に関する特別委員会です。過去の役職紹介と混同しないよう注意が必要です。
井上英孝氏の事件・告訴報道とは?イタリアン店で何があったとされたのか
井上氏について報じられた出来事の一つが、2021年の告訴報道です。報道の対象になったのは、大阪市議会議員時代の会食での言動でした。
2021年に侮辱・暴行・傷害の容疑で告訴されたと報道
調査報道サイト「アクセスジャーナル」は2021年10月16日、女性が同月7日付で井上氏を大阪地方検察庁に告訴したと報じました。
同記事によると、告訴状には、井上氏が大阪市中央区の創作イタリアン店での食事会に参加した際、同席した女性に対して差別的な発言や暴行をした、という主張が記されていました。女性はその後も心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんでいると訴えた、と報じられています。
発言をめぐる申し立てには、女性が東大阪市出身だと答えたことに対し、被差別部落に関する差別的な言葉を述べた、という内容が含まれます。
詳しい報道内容は、アクセスジャーナル「維新候補者の差別発言等でPTSDに――大阪地検に侮辱罪等で告訴」に掲載されています。
- 報道された事実:2021年、女性が井上氏を告訴したと報じられた。
- 告訴状側の主張:会食で差別的な言葉や暴行があったという内容。
- 司法判断:この告訴について、起訴・不起訴や有罪・無罪を示す確かな公開資料は今回確認できていない。
- 本人の説明:当該報道に対する井上氏本人の具体的な反論や説明を裏付ける公開資料も確認できていない。
告訴されたとの報道があることと、告訴状に書かれた行為が事実として認定されたことは別です。現時点で公表資料から裏付けられない司法上の結論を付けることはできません。
「裁判になった」「有罪になった」という情報はある?
2026年10月8日までに確認できた公開情報の範囲では、この告訴をめぐる刑事裁判の判決を特定できていません。
したがって、井上氏がこの件で有罪判決を受けたと断定する根拠はありません。反対に、公開情報が見つからないことだけを理由に、訴えの内容がすべて否定されたとも言えません。
政治資金やガソリン代の報道は?井上英孝氏の評判に関わる論点
井上氏には、政治資金収支報告書の記載やガソリン代をめぐって報道された経緯もあります。
2015年に政党交付金約1,200万円の未記載が判明
2015年には、2013年分の政治資金収支報告書に政党交付金約1,200万円が記載されていなかったことが報じられました。
井上氏側は、二重計上になると考えたため記載しなかったという趣旨の説明を行い、その後、報告書を訂正したと伝えられています。
出典:しんぶん赤旗・2015年1月28日付報道、FRIDAYデジタル・2023年9月7日付記事
2021年のガソリン代205万円超が報じられた
2023年9月、FRIDAYデジタルは、井上氏が代表を務める「日本維新の会衆議院大阪府第一選挙区支部」の2021年分政治資金収支報告書を取り上げました。
記事では、年間のガソリン代が205万円を超え、高速道路料金も約86万円に上ることが指摘されています。
| 報道された支出項目 | 2021年の金額 |
|---|---|
| ガソリン代 | 205万円超 |
| 高速道路料金 | 約86万円 |
これに対し井上氏の事務所は、政治活動に乗用車4台と街宣車6台の計10台を使用していたと説明。ガソリン代に私的利用分は含まれていないと回答しました。
記事では政治資金に詳しい専門家が支出の多さを問題視する一方、事務所側は複数の車両を使った活動によるものだと説明しています。支出額が多いという指摘だけで、不正使用が確定したわけではありません。
出典:FRIDAYデジタル「1年間でガソリン代『地球4周分』」
支持・評価と批判を分けて見ると
井上氏への評価を考えるうえでは、少なくとも二つの事実があります。
- 選挙での支持:2026年の衆議院選挙でも大阪1区で当選し、国政6期目に入りました。
- 説明責任への指摘:過去の政治資金の記載や活動費について、報道機関から疑問が示されました。
選挙結果は有権者の投票行動を示す数字ですが、それだけで個別の疑惑に結論が出るわけではありません。報道についても、指摘された内容と井上氏側の説明を区別して読むことが大切です。
井上英孝氏の選挙区は大阪1区|2026年衆院選の結果と当選歴
井上氏の地盤は大阪府第1区です。大阪市の中心部と港湾地域などを含みます。
- 大阪市中央区
- 大阪市西区
- 大阪市港区
- 大阪市天王寺区
- 大阪市浪速区
- 大阪市東成区
2026年2月の衆議院選挙では9万3,383票で当選
2026年2月8日投開票の第51回衆議院議員総選挙で、井上氏は9万3,383票、得票率40.2%を獲得しました。
| 候補者 | 所属政党 | 得票数 |
|---|---|---|
| 井上英孝 | 日本維新の会 | 93,383票 |
| 大西宏幸 | 自由民主党 | 64,483票 |
| 中村ゆき | 参政党 | 27,950票 |
| 塩野ともお | 国民民主党 | 27,902票 |
| 竹内よしのり | 日本共産党 | 18,444票 |
出典:大阪府・第51回衆議院議員総選挙の投開票結果、選挙ドットコム・大阪1区
2012年から2026年までの衆議院選挙結果
| 選挙年 | 大阪1区での得票 | 当選状況 |
|---|---|---|
| 2012年 | 80,230票 | 小選挙区当選・初当選 |
| 2014年 | 75,016票 | 小選挙区当選・2期目 |
| 2017年 | 66,506票 | 比例近畿で復活当選・3期目 |
| 2021年 | 110,120票 | 小選挙区当選・4期目 |
| 2024年 | 102,113票 | 小選挙区当選・5期目 |
| 2026年 | 93,383票 | 小選挙区当選・6期目 |
2017年の選挙では大阪1区で敗れましたが、比例代表近畿ブロックで復活当選しました。衆議院当選6回は、6回すべて小選挙区で勝ったという意味ではありません。
過去の各選挙の得票は、選挙ドットコムの井上英孝氏・選挙履歴で確認できます。
選挙対策委員長として大阪各地の選挙も支援
選対委員長としての仕事は、自身の選挙区に限りません。2026年9月には、交野市長選挙などに関する応援を事務所公式Xで発信しました。
井上英孝氏の経歴・学歴|高校、近畿大学、市議時代まで
井上氏は大阪市港区で育ち、高校・大学ではラグビーに取り組みました。その後、大阪市議の秘書を経て、地方議会から政治家としての経歴を重ねています。
高校は大阪貿易学院高校、大学は近畿大学
| 時期 | 経歴 |
|---|---|
| 1987年 | 大阪市立港南中学校卒業 |
| 1990年 | 大阪貿易学院高等学校卒業(現在の開明高等学校) |
| 1997年 | 近畿大学商経学部卒業 |
| 大学卒業後 | 渡米し、約1年半の寮生活を経験 |
| 1998年 | 大阪市会議員・井上よし子氏の秘書となる |
| 2003年 | 大阪市会議員に初当選 |
| 2007年・2011年 | 大阪市会議員に再選、通算3期 |
| 2012年 | 衆議院議員に初当選 |
高校卒業後に進学した近畿大学商経学部では経済学を専攻しました。卒業後は米国での生活を経験してから、政治の仕事に入りました。
大阪市議会議員を3期務めて国政へ
2003年の大阪市会議員選挙で初当選した井上氏は、2007年と2011年にも当選。市議会では議会運営に関する役職も経験しました。
地方自治体の予算、住民生活、行政運営を扱う市議会で約9年の経験を積んだ後、2012年の衆議院選挙に日本維新の会から立候補しました。
井上英孝氏の政策・公約|維新で何を目指している?
井上氏の政治的な主張は、行政改革・政治改革を軸とする日本維新の会の路線と重なります。
本人公式サイトに掲載された基本政策には、議員定数の削減、政治資金の透明化、教育無償化、地方分権などが掲げられています。なお、この政策ページには過去の政治状況を前提にした記述も含まれるため、現在審議中の制度や2026年の最新公約と同一視はできません。
- 政治改革:議員定数・報酬の見直し、政治資金の公開、企業・団体献金の禁止
- 行政・財政改革:行政組織や事業の見直し、歳出の効率化
- 教育・子育て:教育無償化、保育サービスの充実、保育士の処遇改善
- 地方分権:国から地方への権限移譲、副首都の整備
- 憲法・安全保障:憲法改正議論、日米同盟を基軸とする安全保障政策
政治改革と「身を切る改革」
井上氏が所属する日本維新の会は、議員自身の報酬や定数を見直す「身を切る改革」を掲げています。
井上氏も公式サイトの政策ページで、改革への姿勢を次のように述べています。
「今必要な改革に真正面から取り組む政治を行っていきます。」
出典:井上英孝公式サイト・日本維新の会政策
政策に掲げていることと、実際に制度として成立したことは分けて見る必要があります。井上氏の場合、国会の委員会運営や政策提言の活動が、具体的な仕事として挙げられます。
教育無償化と地方分権への考え方
教育分野では、家庭の経済状況によって教育を受ける機会が左右されない社会を目指し、教育費の無償化や保育サービスの拡充を掲げています。
地方分権では、国の権限を地方へ移し、地域の判断で行政サービスを提供できる仕組みを重視しています。大阪で進められている副首都構想や大都市制度の議論とも関連するテーマです。
政策の全体像は井上英孝氏の公式政策ページで紹介されています。
井上英孝氏が実際にやってきたこと・国会での実績
井上氏の活動は、特定の法律一つに限られません。近年は港湾インフラの維持、建設・運送分野の課題、法務委員会の運営、災害対策などに携わっています。
港湾インフラの老朽化対策を国会で質問
2025年4月4日の衆議院国土交通委員会では、港湾インフラの老朽化を取り上げました。
同年には埼玉県八潮市で下水道管の老朽化が原因とされる道路陥没事故も発生しており、井上氏は港湾施設についても長期的な維持管理が必要だとして、国土交通省側の認識を問いただしました。
「港湾インフラの老朽化の今の現状、これをどのように港湾局長が認識されているのか、お伺いしたいと思います。」
出典:第217回国会・衆議院国土交通委員会(2025年4月4日)発言記録
大阪には大阪港があり、物流や産業を支える港湾施設の整備は地域経済ともつながっています。
港湾政策の提言を財務大臣に提出
2026年6月29日には、井上氏が会長を務める港湾関係の議員連盟のメンバーらとともに、片山さつき財務大臣へ政策提言を提出しました。
提言では運送・建設事業者の賃上げ促進が柱の一つとされました。インフラを造るだけでなく、その整備を担う事業者の人材確保や経営環境にも目を向けた活動です。
この提出活動は、本人公式サイトの活動記録で紹介されています。
法務委員長として国会審議を運営
第221回国会では、衆議院法務委員会の委員長を務めました。
法務委員会では、刑事司法や民事法制などの法律案が審議されます。委員長は委員会を進行し、審議結果を本会議へ報告する役割を担います。
井上氏の公式サイトには、当時の委員会審議や本会議での委員長報告が掲載されています。これは法案の審議と採決を運営する仕事であり、扱った法改正すべてを井上氏個人が立案・成立させたという意味ではありません。
関連資料:井上英孝公式サイト・第221回国会の法務委員会活動
災害対策本部の活動と被災地への支援
2026年には、日本維新の会の災害対策活動にも携わりました。7月には、熊本地震の被災者へのお見舞いや党の対応を事務所Xで発信しています。
10月1日には、千葉県の豪雨や台風による被害を受け、党災害対策本部の代表として千葉県・千葉市を訪問。被災状況について意見交換するとともに、議員歳費を削減して積み立てた基金を原資とする義援金を届けたと公表しています。
出典:井上英孝公式サイト・2026年10月1日の被災地支援報告
井上英孝氏の妻・子供・家族構成は?
井上氏は、本人公式プロフィールで家族構成を公表しています。
| 配偶者 | 妻 |
|---|---|
| 子供 | 長男・次男・三男 |
| 家族人数 | 5人家族 |
妻と3人の息子がいる5人家族です。子供の氏名、勤務先、現在の年齢など、公式プロフィールにない私生活の詳細はここでは扱いません。
ラグビー経験と父親の言葉から見る井上英孝氏の人物像
高校・大学ではラグビー部に所属
井上氏は高校・大学でラグビー部に所属していました。
公式プロフィールではスポーツ経験のほか、地元の体育推進委員やライオンズクラブなど、地域活動との関わりも紹介されています。
政治家を志したきっかけは父親の言葉
政治家を志した動機について、井上氏は父親の言葉に触れています。
「私が政治に携わり、政治家を志した動機は『人々のお役にたちたい!』という純粋で単純明快な父の一言でした。」
出典:井上英孝公式プロフィール・本人メッセージ
ここで引用しているのは、父親の言葉を振り返った井上氏自身の説明です。父親の職業や家系について、公式プロフィールから確定できない情報を推測することはできません。
井上英孝事務所はどこ?公式サイト・SNSの情報
井上氏への問い合わせ先として、大阪の地元事務所と東京の国会事務所が公表されています。
| 地元事務所 | 〒552-0011 大阪市港区南市岡1-7-24-1F |
|---|---|
| 地元事務所TEL | 06-6581-0001 |
| 国会事務所 | 〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館404号室 |
| 国会事務所TEL | 03-3508-7333 |
公式サイト・SNSはこちらです。
Xについては、本人の公式サイトと政党公式プロフィールが案内している「衆議院議員井上英孝事務所」アカウントを掲載しています。個別投稿は投稿元を確認できたものに限って埋め込んでおり、事務所スタッフ名義の発信を井上氏本人の直接発言として引用してはいません。
2026年10月からは政治改革に関する特別委員会の委員長として、政治資金の透明化や選挙制度をめぐる国会審議に携わります。委員会での発言や審議状況については、衆議院公式サイトと本人の活動報告で追うことができます。

